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【スポーツ】

[ラグビー]神戸製鋼、亡き平尾GMにささげる弔い星 きょうTLホンダ戦

2016年10月22日 紙面から

練習前に円陣を組む神戸製鋼ラグビー部員ら=神戸市内で

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 ラグビー・トップリーグ(TL)の神戸製鋼は21日、神戸市内で22日のホンダ戦(鈴鹿)に向けて30分、調整を行った。同チームGMで、20日に53歳で亡くなった元日本代表監督の平尾誠二さんのまな弟子たちは悲しみをこらえ、優勝をささげる決意を示した。22、23日のTL全8試合で半旗を掲げ、試合前に黙とうすることが決まった。

 偉大な先輩を失った悲しみが一夜で癒えるわけがない。神鋼フィフティーンは悲しみを引きずり、言葉も少ない。主将のフランカー橋本大輝(29)は「みんな、今はショックを受けていて雰囲気は沈んでいる。でも、練習が始まれば切り替えて準備ができた」と前だけを向いた。

 平尾さんにささげるのは2003年以来のTL優勝しかない。現在5連勝中で6勝1敗と3位につけている。喪章をつけて戦うホンダ戦でまずは追悼星を挙げることが第一だ。

 CTB山中亮平(28)は「1試合1試合、絶対に落とせない。今年はさらに優勝したい気持ち」と闘志をむき出しにした。平尾さんが慣れ親しんだ12番を背負う責任がある。「12を着けられるのは誇り。引っ張っていきたい」と力を込めた。

 WTB大橋由和(32)は同大から神鋼に入社と同じルートを歩んだ後輩だ。今春、会社で顔を合わせた際、平尾さんの激やせした姿を見て、「言葉も出なかった」と言う。昨年2月、右膝十字靱帯(じんたい)を断裂した。手術、リハビリを乗り越え、先発メンバーに復帰。「全力でプレーしたい」と弔い星を誓った。

 ロック清水佑(30)は伏見工高(京都)の後輩にあたる。「『無意識の意識』という言葉が残っている。何もしなくても、意識するくらいやり込むことが大事。しんどい時こそ体を動かす」と“平尾イズム”でチームに献身する。

 日本ラグビーの発展を望み続けた「ミスターラグビー」へ、熱戦を繰り広げることが何より供養になる。 (荒木司)

 

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