たとえブレインストーミングが出来なくても。
僕が働いている会社は30人ほどの小さな会社です。社長以下役職も特にありませんし、それぞれがそれぞれの職責をこなしている感じ。例えば、大きな会社になればピーターの法則そのもので「無能な社員」に埋め尽くされていて腐る社員もいそうものですけど、逆に小さすぎて無能になる隙がないという。
あ、うち年間休日は100日切ってますけどブラック企業じゃないですよ(笑)残業代はびた一文まけませんし、有給も使おうと思えば使えますし、余れば買い取ってもらえます。
ピーターの法則を知らない人はこの記事あたりに。
残念なことに労働法規や機械設計などの一部の問題については誰も詳しい人がいなく、結局一人でインターネットとにらめっこしたり社労士さんに電話したりすることになります。自分で責任をかぶれる部分については承認印なしで資材発注を掛けたり生産ラインの予定変更をかけたりすることもありますが、結局は社長の「好きなようにして失敗した時は早めに報告だけ頂戴」の声に助けられてる部分もあります。
が、それでもやっぱり仕事で煮詰まることってあるんですよね。
会社の机の上はこんな感じ
僕の机の上にあるものはこんな感じ
- ノートパソコン1台(レノボ)
- A4サイズトレー2つ(検討案件と完了案件ファイリング待ち書類入れ)
- 筆記用具、メモ
- 電話
- コルクボード(付箋、メモを貼るところ)
筆記用具のうちシャープペンシルはSTAEDTLERの925 25-20。 芯が2㍉のシャープペンシルでとっさの電話で殴り書きでも折れない。A4コピー用紙の裏紙を重ねておいてクリップで止めたものをメモ帳代わりに使ってるので大きい文字でも大丈夫。電話メモなどにするときはA5サイズに定規でピッと破ればちょうどいいサイズ。
これ、壊れたときにAmazon欲しいものリストに書いておいたら送ってくださったのを今でも愛愛愛愛用させていただいています。どうもありがとう。
もう一本は0.9㍉の925 25-09。0.9㍉のシャーペン。これもいただきもの。こっちは細いのできちんと文章を書いたりするのに愛用。0.5㍉は力を入れると折れちゃうから使わないんですよ。
ボールペンなどは逆にアスクルの一番安いやつとかで。どこかに置いてきちゃうこともおおいし、誰かに貸したまま帰ってこないこともある。逆に「なんでウチの机にこんなにボールペンが溜まってるのよ」ということも。ウチの机は使い勝手がいいポジションにあるので、そこで電話をとったり仕事する人が結構いるものですから。
そう、ボールペンって最後まで使い終わったことがないんですよなぜか。
たぶん存在しないとは思うけど。さて、そろそろ本題。このコルクボードの裏に貼り付けてある表の話です。
コルクボードの裏に貼ってあるのはチェックリスト
普段は付箋などを貼り付けるために使っているコルクボードですが、裏側にはA4サイズに書かれたあるものが貼られています。それはチェックリスト。
オズボーンのチェックリスト というのが本当の名前です。
このチェックリストを作った人の名前がアレックス・オズボーン(オジー・オズボーンとの関係を調べようとしたらあまりに沢山の人がこのリストとオジー・オズボーンの関係を洒落のように書いてあるので止めておく)ということから名付けられました。
そのアレックス・オズボーンさんは「ブレインストーミング」の考案者としてのほうが有名かもしれません。ブレインストーミングというのは複数のメンバーで
- 自由な考え方で
- 否定、批判しないで
- とりあえずたくさんの意見を出し合う
- 出てきた意見をさらに発展するのは尚良し
創造的な解決策を考えてみよう、既成概念を外して物事を考えてみよう、メンバーの意見を持ち寄り仲間意識を深めよう、という効果があるものです。会社だけではなく、これは学校の班ミーティングや町内会、部活動などでやったことがある人もいるかもしれません。が、うちにはそんなに沢山の人がいないわけです。で、どうするか。発想の転換をするのにチェックリストを使う、ということです。
オズボーンのチェックリストの中身
実際の中身はこんな感じ。
1.転用したらどうか?
新しい使い道はないか?少し変えて他の使い道はないか?
2.応用したらどうか?
似たものはないか?他に真似はできないか?
3.変更したらどうか?
意味や色、働きや形などを変えられないか?
4.拡大したらどうか?
何かを加えたらどうなるか?時間や頻度など増やしたら?
5.縮小したらどうか?
より小さくできないか?省略や分割できないか?中止したらどうか?
6.代用したらどうか?
人や物、材料や製法、場所などを代用できないか?
7.置換したらどうか?
順序を変えたら?原因と結果を入れ替えたらどうか?
何か問題や考えたいテーマがあった時、これを眺めながら一つ一つてらしあわせてみるわけです。これは製造業でも営業でも家事でもデートでも使える考え方です。プリントアウトしてみたいという方はこちらのページのリストが印刷しやすいかもしれません。
たとえば
B品の発生率が5%程度ある商品があります。これは製法上どうしても5%ロスが出てしまうので製造原価も5%高めに見積もっていたし、しょうがないなと思いつつ、どうにかならないのかなとも思っていました。結局捨ててしまうので。
これをオズボーンのチェックリストの1番で考えてみると「新しい使いみちはないか」となります。5%出来てしまうB品の使いみち、と考えると
- B品です、と明記し格安で販売する
- 不具合箇所を切り取ったりして違う製品として生まれ変わらせる
こんなことが思いつきます。そこで社内にある販売カウンターの片隅に「B品ですが格安で販売します」と定価の30%程度で売り出してみました。すると「そんなの気にならない」と購入して下さるお客さんもいる上に「格安のやつないの?」と頻繁にお客さんが来てくれることも。ロス率5%が改善されたうえに販売カウンターの売上が3割以上増えました。
これらがいつも自然に発想の転換としてできればいいのですが、人間っていうのはなかなか頭が柔らかくならないものです。特に一人のときは。たとえばで書いたこのB品として販売することも「もったいないなぁ」から1年以上経ってから「あ、売ったら良いのか」にたどり着きました(笑)B品なんて売るのは失礼だ、という既成概念が頭から抜けないんですよね。
仕事以外でも
このチェックリストは仕事以外でももちろん使えます。たとえば家事。使い終わった○○を他のことに使えないか考えてみるとか、服をリバーシブルにして1枚減らすとか(ミニマリスト的発想でしょうか笑)、ポイントカードをまとめる方法を考えてみるとか。
たとえば先日はこう書きましたが、Amazon、楽天の広告収益をまとめた上で10%ボーナスを付けて現金で支払ってくれる「もしもアフィリエイト」というのも「代用、置換え」と考えれば「アリ」なシステムかもしれません。
最近マンネリ気味のデートをしている人もこのチェックをしてみると意外と素敵なデートが見つかるかもしれません。縮小したり増やしてみたり置換えてみたり真似してみたり。これはチェックリストを使わずに2人で話し合うほうがいいかもしれませんけど。
頭がかたい人ほど試してみるべき
いやいや、自分はそんなものを使わなくても自由に発想くらいできるから、とか言ってる人に限って「自由な発想をしているはずの自分」に囚われていますからね。かといって誰かに知恵やアドバイスを求めるのもなんかためらわれる、できれば自分の力でなんとかしたい、相談出来る人がいない、などというときに是非使ってみて下さい。
意外なところから意外な知恵が出て役立つかもしれませんので。