【ヒューマン】
1996年のNHK紅白歌合戦では白組司会を務め、紅組司会の松たか子と息のあった進行を見せた【拡大】
84年にフリー転身後、フジのF1実況やバラエティーの名物司会者として活躍。そして、「報ステ」で報道キャスターとなって新境地を開いた。
約40年のキャリアで「しゃべるのが嫌だ」と思ったことは一度もない。しかし、「こんなしゃべりしかできないのか」と自問している。
25年前、仲良しだった実姉を病気で亡くし、「最愛の死に行く人に向けて慰めたり、和ませたりする言葉をかけずに送ってしまった。おもしろおかしく話すことはできるのに、何をやっているのか」と振り返った。
「『こんなしゃべりしかできないのか』と思うことが、この仕事を続けている動機。還暦を過ぎましたし、あまり飾らない、過剰じゃないおしゃべりでも、苦しい人を和ませたい。そういう課題はありますね」
とはいえ、「遅れてきた青春がやって来た。爆発寸前」と舌先はフル回転。「フルタチさん」と連動するトーク番組「トーキングフルーツ」(火曜深夜0・25)も11月8日にスタートし、今月21日からニッポン放送「古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD」(金曜後10・0、月1回不定期)で26年ぶりにラジオパーソナリティーにも挑戦している。
「もう一花咲かせてやる、テレビ界に爪痕を残して死んでいきたいという強い念があります」と衰え知らずのハングリー精神も活躍の源だ。
インタビュー直前、作家の村上春樹氏(67)が今年もノーベル文学賞受賞を逃したという一報が入った。“ハルキスト”の古舘は1994~96年に白組司会を務めたNHK「紅白歌合戦」で今年の起用が噂されるが、「残念! 村上春樹状態。噂があるときは(出演が)ないのが僕の中での常識」と予告。