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【首都スポ】

関東大学サッカー 2冠明大・服部主将に聞く 3冠取って絶対王者

2016年10月21日 紙面から

3冠獲得へ意欲をみせる明大サッカー部の服部一輝主将=東京都世田谷区の明大八幡山グラウンドで(北田美和子撮影)

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 第90回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)の優勝争いに早くも結果が出た。明大が6年ぶり4度目のV。4戦を残しての史上最速Vで、総理大臣杯全日本大学トーナメントに続く2冠獲得を遂げた。次の目標は12月の全日本大学選手権(インカレ)を制しての3冠達成。主将としてチームを引っ張るGK服部一輝(4年・札幌大谷)が、今季ここまでの戦いぶりを振り返るとともに、インカレへの意気込みを語った。 (取材・構成、関孝伸)

 −優勝おめでとうございます

 服部「ありがとうございます。でも、決まるのが早すぎたからか、優勝した実感はまだ全然湧いてこないんです」

 −優勝した瞬間はどんな思いがよぎりましたか

 「ホッとしたというのが正直な感想です。3冠獲得を目標として掲げている中で、総理大臣杯に続く2冠目を取ることができた安堵(あんど)感がありました」

 −今季のチームは昨季までの主力が多く抜け、不安を抱えながらのスタートでした。しかし、結果はぶっちぎりのリーグ優勝。その要因はどこにあるのでしょうか

 「心をひとつにして戦うといった部分は、僕が知る限りでは、去年までのチームよりもできていると思います。今年のチームは、去年のように個の力で戦うことはできません。ですから、自分たちは強くないということを根本のところで自覚していました。その上で、練習からみんなで話し合って、チームとしてやることを統一して、まとまって戦っていくことをずっと強化してきました」

 −すべてが順調でしたか

 「リーグ戦ではないんですけど、壁にぶち当たったことがあります。天皇杯の東京都予選で立正大に負けた(7月22日、2−4)ときです。ターニングポイントになりました」

 −立正大は、関東大学リーグの下の東京都大学リーグに所属する、いわば格下のチームです

 「ケガなどで、僕やユウタ(DF小出悠太。J1甲府への来季加入が内定)が出られなかったんですけど、それでも勝てるはずといった甘さが心のどこかにあったんだと思います。心の隙から不用意なミスが出てしまった試合でした。その試合を機に、もっと厳しくやらなくちゃいけないとみんなが考えました。ただ、それはもっと走るとか、単に練習を厳しくやればいいということではないんです。厳しいあまりにピリピリとした雰囲気になるのは良くありません。楽しいからサッカーをやっているので、ゴールをどう奪うか、どう守るかといった、サッカーの一番楽しい部分を考えて、そこを追求するようにしました。相手を崩すためや相手に崩されないためのいい声かけが増えて、雰囲気も含めて、チームが良くなっていきました」

 −上向きになったチームは8月の総理大臣杯で優勝しました。大会では5試合のうち3試合で先制されましたが、苦境をことごとくはね返しました。9月に再開したリーグ後半戦でも、3試合で逆転勝ちを収めています

 「総理大臣杯の優勝は間違いなく自信になりました。先制されても、0−1ならチャンスはまわってくるだろうし、そこで点を取れる自信があります。優勝を決めた前節の慶応戦でも先制されましたけど、点を取られて慌てるというメンタルは一切ありませんでした」

 −リーグ後半戦の7試合の中で一番危なかったのは、服部選手が故障で欠場した第16節の流通経大戦でした。土壇場で1−1とし、さらにロスタイムに逆転ゴールを決めて2−1で勝ちました

 「0−1で試合終了近くまで進んだときに思ったのは、引き分けにはもっていってくれるだろうけど、勝つのは難しいかなということでした。逆転したのは正直ビックリです。強いチームになってきたなと感じました」

 −残るタイトルはインカレです。関東勢としては初となる3冠制覇がかかっています

 「勝ち続けるのが使命だと考えています。3冠を取って、絶対王者になりたいと思います。去年の全国大会(総理大臣杯とインカレ)では、(優勝した)関学に2回とも負けました。僕個人のプレーもふがいなくて、反省する意味で、(関学戦の映像を)今でも見返しています。インカレの準決勝では、僕のミスによる失点もありました。関学に借りを返して優勝したいという思いが個人的にあります」

◆誰よりチーム支えた

 ▽栗田大輔監督の服部評「“チームのために”という犠牲の精神が非常に強く、チームを誰よりも支えたのが彼でした。下級生がサッカーに取り組みやすい環境をつくったりもしてくれました。キーパーとしてのプレーについて言うと、反応の良さによって、決定的なピンチから何回もチームを救ったと思います。最後尾からのコーチングでも貢献度が高かったと感じています」

 <服部一輝(はっとり・かずき)> 1995(平成7)年3月16日生まれの21歳。東京都出身。182センチ、76キロ。杉並区立富士見丘小4年のときに富士見丘少年蹴球団でサッカーを始めた。FC東京U−15むさしから札幌大谷高(北海道)へ。同高3年時に全国高校総体に出場したが、1回戦で敗れた。明大では昨季途中からレギュラーになった。リーグ戦の通算成績は27試合出場24失点。

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