アプリ開発者のSteve Troughton-Smith氏が、iOS 8の頃に作られたものの、日の目を見ないまま放置されている片手入力キーボード配列を発見しました。通常のキーボードの右端からスワイプすることで片手入力用のキー配列が現れ、右手用/左手用に配置を切り替えることができます。

画面端から引き出されるファンクションキーは文章入力でよく使うカット、コピー、ペーストの3つ。これがわりと大きめで、おかげで左右幅を圧縮された文字キー2個半ぶんぐらいのスペースを占拠します。ただ、見た感じだけで言えば、これが有効化されていれば、片手でも文章入力がはかどりそうな気もします。
 
 
残念ながら、このキーボード配列はXcodeのiOSシミュレーターの中でのみ起動が可能です。スワイプで現れるときの画面アクションが不自然な意外はほとんど完成しているようにも見えるものの、iPhoneやiPod touchの上ではこれを起動させる方法がありません。iPhone 6 Plus以降の大きなiPhoneであれば、片手キーボードは重宝するはずですが、なぜこのまま放置されているのかは不明です。

もしかすると、このキーボードが実は片手キーボードとしてはあまり意味がないということも考えられます。ファンクションキーが現れることによって文字キーが左または右に寄るものの、空いたスペースのファンクションキーを使おうと思えば結局は指を目一杯伸ばして押さなければならず、実機で試してみるとそれほど便利ではなかった可能性もありそうです。

長らく発見されなかったキーボードが今後、正式に使えるようになる可能性はあまり期待できなさそう。どうしてもこのキーボードを試したいのであれば、Xcodeでシミュレーターを走らせるか、ジェイルブレイクしたiPhoneを用意するほかありません。
 


スマートフォンの巨大化にともなって片手キーボードはいろいろな種類のものが考案されています。特にAndroidでは左右に移動させて配置可能な片手キーボードを搭載する例も多く、マイクロソフトは扇状にキーを配置し、親指で左右に回転させて入力できるWord Flowキーボードを作りました。またiOSでも画面の大きなPlusモデルでは設定によりテンキーボードを左右に寄せて配置できます。
iOS 8以降に潜んでいた「片手キーボード」が発掘、ただし実機では起動せず。画面端からスワイプで起動、左右両対応
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