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渡辺竜王と三浦九段が、それぞれ対立する見解を示している。全面対決というありさまだ。
(1) 渡辺竜王
渡辺竜王は強硬な方針を取っていたそうだ。
《 将棋連盟、来週中に調査委発足 強く対応求めていた渡辺竜王「タイトル剥奪されても構わない」 》
日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)は21日、来週中に顧問弁護士を中心とした調査委員会を発足させ、本格的な調査に乗り出す方針を発表した。
これに先立ち、同日午前、東京と大阪の将棋会館で棋士への臨時説明会が開かれ、羽生善治棋聖(46)や佐藤天彦名人(28)ら約140人の棋士が参加。約2時間におよんだ非公開の説明会で島朗常務理事(53)は、7月末の対局で三浦九段に不自然な離席があるとの指摘が発端だったことを報告。さらに今月3日の対局でたびたびの離席と不自然な指し手に疑惑を抱いた渡辺明竜王(32)が、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかにした。
( → 産経ニュース )
渡辺竜王の話だと、対局後の感想戦でも、三浦九段の読み筋がソフトと一致していた(ことが多い)そうだから、「真っ黒だ」という認識を得ても当然だろう。
そこまで情報があったのなら、もっと前に公開してくれれば良かったのに。黙っていると、わからないよね。
(2) 三浦九段
三浦九段も、自己の潔白を主張した。
《 三浦弘行九段、再び異議表明 「遠隔操作アプリをインストールしてない」 》
三浦弘行九段(42)は21日、「一部マスコミで事実と異なる内容が報道されている」と自身の潔白を訴える文書を発表した。
文書は、20日発売の週刊誌報道に異議を唱えたものとみられ、「スマートフォンに遠隔操作アプリをインストールしたことはない」「潔白を証明するため、スマートフォンとパソコンを信頼のおける調査会社に提出する」などとし、「一日でも早く連盟が不当な処分を撤回してくれるよう願ってやみません」と訴えている。
( → 産経ニュース )
文春の報道を受けて、抗弁したらしい。しかし、
「スマートフォンとパソコンを信頼のおける調査会社に提出する」
というのは、まったく意味がない。スマホは二台使っていた、とすれば、証拠能力がないからだ。
・ 技巧をインストールしたスマホ
・ 日常用のスマホ
この二つを使っていたとすれば、スマホの提出をしても意味がないとわかる。
この件を解決するには、次のようにすればいい。
「三浦九段の銀行預金を、弁護士に見てもらう。そこに、ケータイ会社からの引き落としがあるかどうか、見てもらう。それを見て、契約している会社がわかるので、その領収証を呈示させる。それによって、スマホをどこと何台契約しているかわかる」
まあ、常識的に言って、2台は契約しているはずだ。そこで、先に提出したスマホが1台しかないことが判明するので、「1台を隠蔽していた」ということが証明される。かくて、隠蔽(証拠偽装)の犯意が証明される。これで、「有罪」的となる。(法的な有罪とは違うが。)
【 追記 】
本項の公開後に、三浦九段の声明の全文が公開された。
→ 三浦九段の2回目の反論文書全文 - 毎日新聞
一部抜粋しよう。
ちなみに、私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではありません。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいませんでした。
もっとも、現段階に至っては、自らの潔白を証明するため、私のスマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えています。
また、私は上記スマートフォンとパソコンしか持っていませんが、家族などのスマートフォンやパソコンなども調査対象に加えて欲しいと連盟が望むのであれば、進んでそれらも調査対象に加えたいと思います。後から別のパソコンなどが怪しいと言われても困るからです。そのうえで、解析結果を私や連盟が入手する前に、調査会社等から直接世間に発表してもらおうと考えています。
「上記スマートフォンとパソコンしか持っていません」
と断言したね。普通なら、
「なるほど。それほど言うなら、そうなのだろう」
と信じたいところだが、すでに「ソフトの手を真似した」ということが発覚している。(前項)
どうやら、「バレなければ嘘をついてもいい」という性格のようだ。とすると、今回も「スマホを複数もっていても、バレるはずがない」と思っているのだろう。たぶん、本体を破壊して廃棄したのだろう。それならば、「もう証拠は残っていない」と思っても、不思議ではない。
ところが、本体は消えても、書類には記載が残っているんだよ。たぶん、そこまでは思いが回らなかったのだろう。
結論としては、
「バレなければ嘘をついても大丈夫、と楽観する人はいる」
ということだ。たぶん、推理小説をろくに読んでいないせい。
人の心の内を窺い知ることは時として非常に難しいものです。
http://mainichi.jp/articles/20161022/k00/00m/040/133000c
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