14メートル超える新種草食恐竜の化石、豪州で発見 研究
2016年10月21日 10:44 発信地:パリ/フランス
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【10月21日 AFP】オーストラリア北東部で発掘された化石が、巨大な、首の長い新種恐竜のものであることを確認したとの研究論文が20日、発表された。この恐竜の祖先は約1億500万年前、南極大陸を歩いて横断したと考えられるという。
頭から尾までが14メートル以上あるこの恐竜(学名:Savannasaurus elliottorum)は、たるのような胴体を持つ草食恐竜の竜脚類に分類される。史上最大の陸生動物も竜脚類だった。
この恐竜と、別の竜脚類恐竜(学名:Diamantinasaurus matildae)の化石発見に関する詳細な研究報告は、英科学誌ネイチャー(Nature)系オンライン科学誌「サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)」に発表された。
古生物学者らは、発見された2種の恐竜に「ウェイド(Wade)」と「マチルダ(Matilda)」というあだ名を付けた。これらはどちらも、オーストラリアの固有種と考えられている。
これらや他の恐竜が、いつ、どのようにしてオーストラリアにたどり着いたかは現在も議論の種になっており、今回の新発見はこの議論の火に油を注ぐに違いないと思われる。
一部の専門家らは、8000万年続いた白亜紀よりかなり以前に恐竜たちが到達したと主張している。白亜紀は、約6600万年前に起きた地球環境を激変させる天体衝突などによって終わった。
だが、論文の主執筆者で、スウェーデン・ウプサラ大学(Uppsala University)の科学者のステファン・ポロパット(Stephen Poropat)氏は、今回の新発見が別のシナリオを示していると指摘した。
ポロパット氏は、AFPの取材に、新発見の竜脚類は、南米大陸の祖先から進化したことが、今回の研究で示唆されると語った。
南米大陸にいた祖先たちは陸橋(大陸間をつないでいた陸地)を渡って南極大陸に入って大陸の端を移動し、さらに別の陸橋を渡ってオーストラリアに到達したと考えられる。
ポロパット氏によると、白亜紀の大半の期間は南極大陸が寒冷すぎて、動きの鈍い草食恐竜が大陸横断の旅を切り抜けるのは不可能だったと思われるという。