たかが電話番号、されど電話番号。
人々の記憶に深く刻みこまれた電話番号を保有する企業は、マーケティング上において一歩抜きんでた存在となります。
例えば以下の電話番号はどこの企業の物かわかりますか?
- 0120-117-117
- 0120-828-828
- 0120-489-444
正解は
- アリコ(現:メットライフ生命保険)
- 株式会社やずや
- 劇団四季
利用したことがなくても答えられた方結構多いのではないでしょうか。そして、電話番号を消費者の脳裏に刷り込む為の技法、それが「ゴロ合わせ」です。
上の例でいえば
- 「いいないいなアリコ」
- 「やずややずや」
- 「予約しようよ」
とサービス内容と共に直感的に電話番号を覚えることができるフレーズというのがポイントです。
また、他にも親しみやすいメロディーと絡める手法があります。「0120-333-906」はゴロ合わせにはなってはいませんが、美輪明宏さんの歌声とともにDHCのCMがパッと頭に浮かんだ方も少なくないはず。
さらに少し古いですが「0120-100-100」のダスキンのCMは当時100歳の双子金さん・銀さんをCMに起用しました。「100歳100歳」というフレーズは決してサービス内容と一致してはいなかったけれど、インパクトが抜群ゆえ語呂合わせとして覚えてしまった方も多いことでしょう。
さて、ここまで挙げたこれらの電話番号は言ってみれば全て成功例です。若干手法の違うものがあれど、覚えてもらいたいという願望を見事に叶えています。
しかし、表あれば裏もある。
世の中には「覚えてもらいたい」という気持ちばかりが先行し暴走してしまった結果、非常に残念で無理がある内容のゴロ合わせが乱立している事が、調べていくうちに判って来ました。
今日はそんなお話。
ゴロ合わせ苦しいレベル1~努力は認めて編~
大塚家具
さて、なぜこの記事を書こうと思ったのかと言いますと、先日原宿を徘徊中こんな広告を見かけたのです。
少し前に発表された大塚家具の中古家具買い取りサービスですね。サービスに対する賛否両論はありますが、ここで挙げたい問題はその電話番号のゴロ合わせ。
「307-204」を「みんなうれしい」と読ませています。いや、少なくともお父さんは悲しんでいそう。
さて、百歩譲って「みんな」はまだ判るとして「うれしい」はちょっと無理がありませんか。分解してみると配列的に「2」を「う」と読ませていることが分かるのですが、むしろこの無理矢理なゴロ合わせだと「みんなに冷視」されてしまうのではないでしょうか。
Ponta
「76682」で「ponta」と読ませています。
これだけでは「はっ?」と頭にはてなが浮かぶはず。私も初めて見たときは全く意味が解りませんでしたが、下の解説を見ればきっと納得できるでしょう。
上の図のように番号と携帯の文字入力機能を絡めたハイブリッド語呂合わせというわけです。ダイイングメッセージのトリックに是非どうでしょう。
・・・なるほど理解はできました。しかし、時代の先を行っている感というかいまいち頭に入ってきません。そもそもこの語呂合わせは携帯・スマホから確認しながらでないとたどり着くことが出来なそうですね。
ゴロ合わせ苦しいレベル2~そこまでしなくても編~
オホーツク若者ステーション
長すぎます。
「おーい来ないか!困ったら悩んだらさあ行こうさあ向かおう」で「0157-57-3136」を結びつけるのはちょっと無理があります。文字が多すぎてどれが数字を表しているのかがわからなくなる事必至の語呂合わせです。
仮に文章を覚えてもらえたとしても間違い電話が多そうです。
レストラン オールシーズン
「0420」で「オールシーズン」。先程の例とは対照的でシンプルかつ潔いのですが、これも少し苦しいか。
JR関連のなにか
引用元の記事によるとソースはJRのSuika関連の広告らしいのですが、画像が切れており何の電話番号なのか突き止めることが出来ませんでした。色々検索したみた結果「050-2016-1600」からの連番がJR東日本お問い合わせセンターなのでおそらくはそれ関連ではないかと予想しています。
ちなみに「050-2016-1614」に試しに電話をかけてみましたが残念ながら現在は使われていませんでした。
自分としては出所不明で載せるのも忍びなかったのですが、インパクトが強かったので載せてしまいました。「2016-1614」から「ニッコリお問い合わせいろいろお答えIC」を編み出した担当者様を褒めてあげたい。多分上司に命じられてすごく苦労したんだろうなぁ(あくまで個人的妄想です)
語呂合わせ苦しいレベル3~もはや意味不明編~
香美園
私の見識不足なのか、ちょっと意味が解りません。「4015」で「ヨレイコオ」・・・ひょっとして「冷コー(アイスコーヒー)」の事なのかしら。中華料理屋さんなので中国語的な何かという可能性も否めません。
ベスト電器 中野川島店
「3372」=「さあ皆に」ここまでは完璧です。文句ありません。
がしかし問題は「7425」。「なしにこ」ってなんなんだろう、語彙力のない私に誰か教えてください。
株式会社ガハハ
「072-687-3476」で「オンナに、ロクバな、ミヨンなろう!」
意味不明なゴロ合わせが3連続続くと、さすがに自分自身のボキャブラリー能力に疑問を感じてしまいます。さらに上のように、さも当然かのごとく書かれていると「ひょっとして他の人には理解できていて、理解できてないのは自分だけなのではないだろうか。」そんな不安を醸し出す自信満々の語呂合わせです。
ここまで調べてみた結果、モヤモヤ感のわだかまりと同時に私は己の言語能力への自信を失いました。
おまけ
ありがとう。少し元気でた。
貴方もオリジナルのゴロ合わせで自己紹介してみよう。
さて、ここからが本編です。
電話番号の交換…それは人と人とが互いに近づく為の第一歩となる行為。
Lineなどのサービスの台頭によりプライベート面では若干登場機会が減ったのかもしれませんが、それでもビジネス面を含めまだまだ多くの人が電話番号の交換という行為を重要視しているはず。
しかし、ただ単純に数字の羅列を伝達するだけではいまいちインパクトに欠けます。競合相手に差をつけるためにもここはひとつ相手に己の電話番号をゴロ合わせで伝えてみましょう。狙った獲物の脳裏に個人情報を焼き付けてしまうのです。
ここまで数々の語呂合わせを見てきた貴方にならきっと逆の意味でわかるはず。
そう、有能な語呂合わせにはその力があるのです。
さて、なかなか上手いゴロが思い浮かばない、平凡な番号でいまいち面白みがない。 そんな自身の無い方でも自分の電話番号をクリック一つでゴロ合わせにしてくれるサービスが有りました。それがこちらのゴロ合わせジェネレータ。
試しに私も自分の電話番号を入力してみました。プライバシーの関係で一部のみの公開になりますがこんな感じ。
よし、これからはこれでいきます。
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