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シャイニング丸の内日報

年収1000-2000万円激務で擦り切れた丸の内OL( @shimaru365)が毒をはくブログ

ブラックを見分ける「ブラック企業三原則」

こんにちは、シャイニング丸の内です。最近ブラック企業が話題ですね。

今回はどのような企業がブラック化し社員を疲弊に追い込んでいくのか、どのように防ぐべきかというテーマで書いてみようと思います。

客から原価は見えてはならない

例えばきゅうりのみを売る飲食店があったとします。この企業は必然的にブラックへの道を辿ります。それは客はきゅうりの仕入れ原価をおおよそ把握しており、高い粗利を求めれば客からすれば「なぜきゅうりが一本800円もするのだ!」というクレームにつながり顧客は離反してしまうからです。

こうなるときゅうり専門店としては低マージンのきゅうりを根性で売るしかありません。「路上でチラシ配れよ!」「お客様へのサービスを徹底しろよ!」「SNSがんばれよ!」「ケチャップかけたらもっと高い料金取れないのかよ!」など無策な店長はスタッフに根性での改善を求めます。こういったサイクルで社員は永遠に疲弊し、なんとかきゅうりを売る努力をしながらも辞めていくという構造になります。

ここで根本的にこの商売がダメな理由はなんでしょうか?様々な捉え方がありますが「顧客が原価を知っている安いもの」を売っていることにあります。

分かりやすくきゅうりと書きましたが人間の労働時間を販売する「工数商売」も同じようなものです。デザイン制作、受託開発、コンサルティングなどがこれに分類されますね。どの仕事もハードワークとして知られます。この業界ではクライアントに対する請求は頭数 x 時間で算出されます。クライアントは人が何人何カ月働いたことに対して対価を支払います。

クライアントからすれば自分らが契約している期間、購入した労働力を100%どころか120%発揮させるという圧力をかけます。コストは同じなので当然ですね。提供側からすると労働時間=価値となってしまいいハードワークが必然的に発生します。

例えば受託開発でエンジニア一人一カ月900万円と言ったらクライアントは発注してくれませんよね。これは一人の人件費とはクライアントも十分に知っているからです。

このように

・顧客から原価が見える

コモディティを提供している

というだけの業界はブラックへの道を必然的に辿ります。

それではブラック低利益会社とならないために皆さんはどのような努力をされているのでしょうか?

「ブランド」を身に纏う、採用・育成に力を入れる

大方針の転換がない限り多くのソリューションがあるわけではないでしょう。方針としえは

・ブランド化(=原価をよくわからなくする&脱コモディティ

・人間の性能UP

となります。

ブランド化、ブランドってなんでしょうね。きゅうりの例に戻りましょう。生産者の顔が出ていたとします、スーパーでよくやっていますがこれは単価の向上のためにやっているわけですね。「安心感」というよくわからないものがトッピングされました。皆さんはきゅうり一本にもしかしたら20円多く払うかもしれません。

なぜ20円なのか、生産者の顔シール代が原価15円だから20円UP払うのは妥当、とか考えている人はいません。「安心」だからです。では安心の相場は?よくわからないですね。

コンサルティングではクライアントは優秀そうな個人事業主よりも名前がよく知られたファームに数倍の価格を払って発注します。何を買っているのでしょうか?アウトプットの質?それはいくら相当でしょうか。ファームのネームバリューで社内を説得しやすいから?それはいくらが相場でしょうか。よくわからないですね。

コンサルティングファームがセミナーを積極的に開催したり書籍を出版したりするのはすべてこの「ブランド」を身に纏うためです。そうしなければコモディティ低価格の争いに巻き込まれ利益が出ない構造になってしまうからです。

さて次に「人の性能UP」。人の性能がUP(=アウトプットの質がUP)すれば少々クライアントに対して価格の交渉力が強くなります。2倍の価格は取ることはむつかしいにしても数10パーセント、チャージを上げることは出来るでしょう。

そういった理由で人売り商売の会社は必然的に採用と育成に注力することになります。

「弊社の資産は人がすべてです。社員が成長のために努力し~」

ああ・・・なんだか懐かしい言葉ですね。ビジネス構造上コンサルティングファームが採用に力を入れベース能力が高い人間を採用しダメなものをクビにし、育成に力を入れるというのは当然ですね。

働き手として会社を選ぶ際には、会社が黒いか否かを判別する際にはこんな基準で見てみてはいかがでしょう?

1.原価がよく見えるコモディティを売っている(人売り、小売り、外食など)

2.ブランドがない

3.採用、育成が強くない

これをブラック三原則と名づけましょう。

ブラックの対局を行くビジネス

さて、黒い業界を見てきました。一方その逆にある業界とはなんでしょか。先ほどのブラック三原則の逆を考えればよいわけですね。そうするとホワイト三原則を作ることが出来ます。

1.原価がよくわからない非コモディティを売っている

2.ブランドが強い

3.採用、育成が強い

まず①。代表は「ヘルスケア」です。皆さん、「将来の不安に対する安心」の相場感はいくらでしょうか。そんなのありません、ただ民は「十分に重要なこと」ということを知っているだけです。そのような商材は言いくるめるのが簡単です。「不安ですよね・・・」「こんな病気になったらどうしますか・・・」「こちらの手術では少々高いですが失敗確率が2%下がります・・・」、どうでしょう、金を払いたくなってしまうでしょう。このような理由で医療メーカーは電気メーカーよりも一般的に非常に高い利益率を持っており、製薬会社も儲かるわけですね(もちろん参入障壁の高さもそれを支えている)

ちなみに保険などの金融商品も将来に対する不安を食っているわけですが、コモディティなのでなかなかホワイト化しません、むしろ黒いです。

②,③はいいですね、各業界上位は基本強いということです。

ブラック三原則を世の中に普及させたい

さて、今回提唱したブラック三原則。私も頻繁に「●●社はブラックですか!」という相談受けるのですが当然個別の会社情報なんて知りません。ブラック三原則に基づいて分析してみてください。

 

1.原価がよく見えるコモディティを売っている(人売り、小売り、外食など)

2.ブランドがない

3.採用、育成が強くない

 

 

あなたの会社も、ブラックかもね