2016年10月21日
【10選】『私をリーダーに導いた250冊』から選んだ10冊
私をリーダーに導いた250冊 自分を変える読書
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だったブックガイド。本書は、朝日新聞の人気連載「リーダーの本棚」を書籍化したものですから、このコーナーのファンならずとも必見の1冊かと。
アマゾンの内容紹介から。
どんなに忙しくても、リーダーは本を読む。そして、本が語りかけるメッセージに耳を澄ますことを忘れない。リーダーの愛読書は経営書だけではない。歴史書、小説、写真集、漫画、新刊から古典まで、さまざまだ。リーダーも、迷い、悩むことがある。リーダーにも、駆け出しの頃があった。そんな人生の軌跡とともに紹介される250冊の本は、私たちの毎日に新しい体験やヒントをもたらしてくれるはずだ。トップリーダー50人の愛読書を一挙公開。
なお、今回は本書の中から、「これは」と思う作品を10冊選んでみました。
ちなみに、まだ全然中古が安くなっていない(むしろプレミア付き)ので、300円ちょっとお得なKindle版がオススメです!
Jesus, CEO / zone41
【『私をリーダーに導いた250冊』より】
決断の条件 (新潮選書)
理想を追い掛けるには現実を直視することが必要で、その手掛かりになったのが会田雄次さんの著作です。 中でも、日本人が不得意とされる意思決定の能力について説く『決断の条件』は、最近再読し改めて感銘を受けました。会田さんは現実をずばり看破する語り口が魅力ですが、本書はマキャベリや韓非など先人の言葉に解説を加える形で書かれ、親しみやすい一冊だと思います。
(住友林業代表取締役社長 市川 晃氏)
文明の衝突
文化や宗教観から世界は八つの文明圏に大別できるとし、文明の衝突は世界平和にとって最大の脅威であり、文明に基づいた世界秩序こそが紛争を防ぐ安全装置であると指摘しています。現在の世界情勢を見渡すと、著者が警告を発した20年前よりも文明の衝突は先鋭化しているように思います。西欧圏とイスラム圏の対立を始めとする世界の課題にどう向き合うべきか。日本人としては、文明の固有性を自覚しつつ異なる文明圏とどう付き合ったらいいのか。多様性を認める一方で普遍的な共通性を追求することの意義を説く本書は、今なお一読の価値があると思います。
(東京建物 代表取締役社長執行役員 佐久間 一氏)
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
*Kindle版アリ
15年ほど前、グループ企画部長になった頃に、評判のいい本だと聞き、興味を持って手に取りました。日本軍の長期的視点の乏しさ、自己認識の甘さ、中央と現場をつなぐ情報網の脆弱さ、環境適応能力の欠如……。本書の指摘はいちいちもっともで、日本軍が抱えた問題は、現代日本の企業組織が抱える問題にも通じます。過去の失敗は、未来への大いなる教訓です。
(三菱地所 執行役社長 杉山博孝氏)
小倉昌男 経営学
*Kindle版アリ
「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親、小倉昌男さんの自伝『小倉昌男 経営学』は、数々読んだ経営書の中でも特に心に残った一冊です。民間初の個人向け小口貨物配送サービスが軌道に乗るまでの経緯、スキー宅急便など画期的な商品が生まれた背景など、興味深く読みました。私なりに小倉さんを評すると、正直で人がいい、人を育てられる、よく学ぶ、システムの構築ができる。私財を投じて福祉財団を設立されたこともすばらしい。後藤新平は、「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」と言ったそうですが、小倉さんは仕事と人を残されました。
(沢の鶴 代表取締役社長 西村隆治氏)
「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
*Kindle版アリ
言われてみれば、日本という国は一つの「空気」ができてしまうと、それに反対するのは非常に勇気が要ります。「空気」の前には、理屈も何も力を失ってしまうからです。良くも悪くも、「空気」が日本の社会を制御する核になっています。社員たちに言わせると、私は「何でも疑って掛かる社長」だそうで、一つの考え方を当たり前に思うのは好きではありません。ただ、経営者としては慎重で、お客様の反応を見ながら、少しずつ進んでいくタイプです。心のどこかで、「空気」を意識しているのかもしれません。
(トーキョーキッチンスタイル 代表取締役社長 渡辺孝雄氏)
ドラッカー 365の金言
*Kindle版アリ
経営は経済学のみならず、心理学、宗教哲学、自然科学なども内に持つ総合的な知の体系です。『ドラッカー365の金言』は忙しい時間の合間にも著者が残した至言に接することができ、松下幸之助の『実践経営哲学』(PHP研究所)などと並び、私が自宅と会社の書棚の両方に置いている本の一つです。
(三井物産 代表取締役社長 飯島彰己氏)
経営の行動指針―土光語録
土光敏夫さんの100の語録をまとめたもので、『勝海舟』が親子鷹への憧れなら、こちらは父の助言のように捉えていました。最も響いたのは、「日に新たに、日々に新たなり」という言葉です。今では私自身の座右の銘となっています。
(ポルシェ ジャパン 会長 黒坂登志明氏)
錯覚の科学 (文春文庫)
「真実」と「あるべきこと」を勝手に混同し、誤って記憶する「記憶の錯覚」、能力の過信からくる「自信の錯覚」、容易に手に入る情報へ注意を向け、楽観的な前提を積み上げる「知識の錯覚」など、どれも自分の能力や可能性を過大評価させるもので、ビジネスの場面で十分に起こり得ることです。「想定外」と言い訳しないための心得として、特に判断を下す立場の人の参考になると思います。
(アステラス製薬 代表取締役社長兼CEO 畑中好彦氏)
参考記事:『錯覚の科学』が想像以上に凄い件について(2014年08月19日)
HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド ハーバード大学人気No.1講義
未来に向けて頑張る今のプロセスに幸せがあることで人は人生に「喜び」を見いだし、未来の幸せに向かって懸命に行動することで人生に「意義」が生まれる。その二つが持続的な幸福感につながるという本書の考え方は、当時の自分の気持ちになじむものでした。
(日本マイクロソフト 執行役員会長 樋口泰行氏)
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
*Kindle版アリ
人間は、容易に出せる答えを直感的に信じやすく、その「認知的錯覚」が判断ミスにつながる、との指摘は、社員の決断をサポートし、自らも多くを決断する立場として、とても参考になりました。私が重視する人材活用においては、人の資質や能力は短時間で判断できない、インセンティブ(金銭的報償)によって期待する成果は得られない、組織の第三者的視点は、個人の的確な意思決定の助けとなる、といった教訓を得ました。
(シバントス 代表取締役社長 ベルント・ウェーバー氏)
【感想】
◆冒頭でも触れたように、本書は朝日新聞の連載「リーダーの本棚」を書籍化したものです。期間で言うと「2009年1月25日〜2016年9月27日」まで。
つい最近まで含まれている反面、古いと2009年の初めですから、7年以上前にまでさかのぼることになります。
基本的にわざわざ新聞紙面で選ばれるくらいですから駄作はないものの、「その時話題だったから」選ばれた本もわずかですがあって、今見るとビミョウな気持ちにw
ちなみに、今回私がさらに選ぶ際には、中古が底値になっているものは除かせていただきましたから、上記に「話題本」は含まれておりませんが。
◆ただ、タイトルにある「250冊」というのは、「リーダー50人が、1人5冊選書」しているので、計算としては間違いではないのですが、厳密には正しくないような。
というのも、かぶっている作品があるから。
お2人が選んでいる本もそこそこありましたし、上記でも挙げた『失敗の本質』は3人の方が選ばれています。
今回割愛した中では、この本もかぶってましたし。
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
すいません、この本Kindle版が、しょっちゅうセールに出ているので、今回はいいかな、と……。
◆とはいえ、こうした「定番本」であっても、読む人によって得る部分はそれぞれでしょう。
実際、上記で引用した部分でも、ご自身の会社や立場「ならでは」の「響いたポイント」が散見されました。
この辺も含めて、「誰が選んだか」までをチェックするのが、本書の正しい読み方かと。
ただし、場合によっては「ポジショントーク」的なニュアンスも感じられたので、一応ご留意ください。
◆なお、目次にあるように、最後の第5章は、本書の内容を総括したブックリストとなっています。
ここでは、本書内で登場した作品を「リーダーの真髄について学ぶ本」「駆け出し時代に読んでおきたい本」といったように、ジャンル別にカテゴライズ。
さらにそれぞれの本が「何ページで誰が推薦したか」まで記されていますから、ここを読んで興味を持った作品を、さかのぼってチェックすることもできます。
具体的なジャンルについては、アマゾンのページにすべて掲載されていますので、そちらにてご確認を。
いずれにせよ本書は、選書が当ブログとはやや違うとはいえ、ビジネス書好きの方なら、要チェックだと思います。
リーダーを目指す方なら必読!
私をリーダーに導いた250冊 自分を変える読書
第1章 さらなる高みを目指す
第2章 新たな道を拓く
第3章 伝統をつなぐ
第4章 国境を越える
第5章 こんなとき読みたいブックリスト
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【編集後記】
◆昨日が期限だった「ニコニコカドカワフェア 2016」ですが、どうも全面的に「46〜50%ポイント還元」として延長されているようです。Amazon.co.jp: ニコニコカドカワフェア 2016: Kindleストア
正式なアナウンスがなく、いつまでなのかがよく分からない以上、お買い忘れの作品がありましたら、お早めにどうぞ!
ご声援ありがとうございました!
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