2016年10月19日、韓国の元慰安婦の前でひざまずき謝罪する高齢の日本人男性の姿が韓国で報じられ、ネットユーザーの反響を呼んでいる。
聯合ニュースによると、この人物は遠藤徹・元聖心女子大教授(78)。遠藤氏は19日、韓国挺身隊問題対策協議会が毎週水曜にソウルの在韓日本大使館前で行っている「水曜集会」に出席し、「私は日本人です」と名乗った後、「日本が過去、韓国の方たちに数え切れない過ちを犯したことを心から申し訳なく思い、一人の日本人として謝罪しに来た」と述べた。
また、昨年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意において日本側が韓国側に在韓日本大使館前の慰安婦像撤去を要求したことに言及、「これは日本政府が慰安婦の方々に謝罪しないということを示している」として日本政府を批判した。さらに、韓国の財団が求めた元慰安婦への謝罪の手紙について、安倍晋三首相が「毛頭考えていない」と出す考えがないことを表明したことに関連し、「残念ながら日本国民の中にも似たような考えをする人がいる」と懸念を示した。
この後、遠藤氏は「本当に本当に本当に申し訳ありません」と述べ、集会に出席していた元慰安婦の金福童(キム・ボクトン)さん、吉元玉(キル・ウォノク)さんの前でそれぞれ土下座し、頭を下げた。
遠藤氏は取材に対し、「若い頃から謝罪したかったが、とても遅くなり申し訳ない思い」と語ったという。
スーツ姿で路上に膝をつく遠藤氏の姿を韓国メディアは写真で大きく報じ、ネットユーザーから多数のコメントが寄せられている。
「日本人にも劣る韓国政府」
「安倍首相がすべきことを、良識ある一人の日本人がしている」
「僕らが求めるのはこれだよ。誠意ある謝罪ね」
「日本人みんなが悪者じゃない」
「朴槿恵(パク・クネ)大統領も少しは見習って」
「安倍さん!この方の姿から学んで」
「日本のおじいさんに何の罪があって土下座までするんだ?過ちを犯したのは上の人たちなのに」
「勇気を出してくれた日本のおじいさんの姿に、真の許しと和解の希望がみえる」
「あなたのことは僕らが許します」
「あっちの国民も、自分たちの政府が恥ずかしいんだろう。韓国も同じ」
「日本人も皆同じではないんだね。だから日本人だからってひっくるめて憎むべきじゃない。まあ、安倍さんが謝りさえすればおばあさんたちの恨みも晴れて、両国の関係も良くなるんだろうけど」(翻訳・編集/吉金)