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【ドラニュース】

森監督、選手もクジも直前で変えた 冴えた勝負師の勘

2016年10月21日 紙面から

1巡目で明大・柳裕也の交渉権を引き当て、ガッツポーズする中日・森監督。右はDeNA・ラミレス監督=東京都内のホテルで(久野功撮影)

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 リーグ最年長監督の勝負勘がさえた。中日・森繁和監督(61)は20日のドラフト会議に初参加した。直前で1位指名を作新学院・今井達也投手(18)から、明大・柳裕也投手(22)の変更を決断。DeNAとの競合となった抽選でも直前でクジを変えて、意中の即戦力右腕ゲットに成功した。

 1978年のドラフト会議から38年。くじを引かれる側から引く側になった森監督が、力強く右の拳を握り締めた。DeNAとの競合の末、明大・柳の交渉権獲得。勝負師としての勘と自らの方針、瞬時の判断によって意中の“恋人”を手に。直前に2度、決断を変えた。最初の変更はこの日の朝だ。

 「きのうからきょうにかけて急きょ変更した」

 前日まで決めていた1位指名は、抜群の速球にホレ込んでいた作新学院の今井。だが、西武の指名情報をキャッチすると翻意した。

 「高校生であのボールを投げるのは素晴らしい。でも重複するなと…。外れても、まだ投手はいるんだけど、そこを外すと嫌だった」

 2分の1で外せば創価大・田中の競合で外れた球団との抽選は必至の状況。単独の可能性が高い柳にシフトした。だが、フタを開ければDeNAと競合。それでも、抽選では神がかっていた。右手で右の封を取る。自らの決めごとだったことが、2つの封筒が重なっていたことで右が取れない…。そこで思わず左を取った。その数秒後、先に封を開けて、首をかしげ苦笑いを浮かべるDeNA・ラミレス監督が隣にいた。

 「どっちにしても重複だったけどね。うれしいよ。最下位のチームにふさわしい投手が取れた。大事な先発ローテに入ってくれるだろうと期待している。ウチが一番必要としていることは何だろうと考えたときに、オレが一番使いやすい、こき使っても大丈夫な明治大学で野球をやっている人だと思った。(監督になって)一番良い仕事ができたと思う」

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