民進党は近い将来の衆院解散・総選挙で野党と共闘するのか。蓮舫代表は独自路線を語る一方、新潟県知事選の野党候補勝利を受けて「共闘路線が加速する」との見方もある。どちらに転んでも、民進にいい結果とはなりそうもない。
先の新潟県知事選では共産、社民、自由の各党が推薦した米山隆一氏が当選した。民進党は自主投票を決めておきながら、米山氏の追い上げが功を奏し優勢と伝えられた最終盤になって、蓮舫代表が急きょ応援に駆けつけるドタバタを演じた。
自由党の小沢一郎代表は10月18日の会見で「勝ちそうになったから応援に行くのは、野党第一党として主体性がなさすぎる」と批判した。よほど頭にきたのか「政権を取る気がないなら国民への背信行為だ。そんなのは解散したほうがいい」と党解散にまで言及した
共産党はかねて民進にラブコールを送ってきた。志位和夫委員長は選挙結果について「全国で野党と市民の新たな共闘を促す歴史的勝利」と自画自賛し、小池晃書記局長も「衆院選での選挙協力に向けて前向きな協議を進めたい」と共闘路線の継続強化を促している。
蓮舫代表は9月の代表選に出馬したときから、衆院選では共産党が加わった野党共闘に消極的な姿勢を示してきた。代表就任後の会見でも「綱領や基本政策が大きく違うところとは連立政権を目指すことはない」と明言している。
ただ、そう言った後で野党との協力を大事にする言葉も必ず添えている。同じ会見では「前代表が国会内外で『できる限りの協力を行う』と言った公党間の約束は重いと思っている。それを踏襲していくのは当然のことだ」と述べた。野党協力を邪険にできない思いがにじみ出ている。
今回の選挙結果を手放しで喜べない事情もある。代表の対応が土壇場で揺れたのに加えて、支持母体である連合新潟とのねじれも生じた。主力の電器労組が原発稼働に賛成なので、連合新潟は稼働に賛成した与党候補を応援したのだ。
そんな経緯を経て、次の衆院選で共産党を含めた野党共闘に踏み込むべきか、踏みとどまるべきか。いま民進党はハムレットの心境ではないか。
県知事選では土壇場で応援演説に駆けつけたというのに、選挙が終わった後、蓮舫代表以下、民進幹部たちは今後の共闘路線について固く口を閉ざし、具体的な話は聞こえてこない。
いまから方向性を言ってしまえば、党内に余計な波風が立ちかねない。党内保守派は共産党アレルギーが強いし、さりとて独自路線を貫けば事実上、野党が分裂したまま選挙を迎える形になる。それで勝てるのか。結局、様子見が続いているのだ。
そこで民進に代わってシナリオを整理しよう。まず、民進と共産は何が違うのか。
最大の違いは安全保障政策である。共産はご承知の通り、日米安全保障条約は廃棄、自衛隊も段階的解消を目指している。天皇制についても「人類平等の原則に沿わない」として、それをなくし、民主共和制の実現を唱えている(http://www.jcp.or.jp/jcp/22th-7chuso/key-word/b_1.html#Anchor-0511)。
民進は日米安保を支持している。自衛隊も当然、合憲という立場だ。共産は安全保障関連法の見直しについて「戦争法反対」と訴えたが、少なくとも民進保守派はそういう言葉遣いを避けてきた。
憲法改正について共産は断固、反対だ。民進は何が何でも指一本触れさせない、という立場でもない。党内には積極的な改憲論者も抱えている。
経済政策も異なる。民進は9月30日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49830)で指摘したように、野田佳彦幹事長が増税と金融引き締めを主張している。共産は金融緩和の転換を求めているが、増税には一貫して反対だ。
これほど基本政策が違うとなると、共産を加えた野党共闘で政権を獲得できたとしても、その後はどうなるか。あっという間に瓦解するのは目に見えている。憲法改正や日米安保、自衛隊問題を棚上げしたとしても、増税と金融引き締めでは再びデフレと不況に逆戻りは必至だ。それで政権がもつわけがない。