南シナ海の領有権問題をめぐって対立してきたフィリピンと中国が、それぞれの思惑で手を握った。中国からの経済支援が欲しいフィリピンは、国際社会が中国を批判する最大の要因だった常設仲裁裁判所の判決を争点にしなかった。南シナ海問題でフィリピンを支えてきた日米は今後、戦略の立て直しを含めて難しい対応を迫られそうだ。
20日午前、北京の人民大会堂で開かれた歓迎式典。ドゥテルテ大統領と握手を交わした習近平(シーチンピン)国家主席は、穏やかな笑みを浮かべていた。ドゥテルテ氏はやや緊張した表情で、何度も上着を直すしぐさをした。久しぶりに中国との首脳交流を再開した緊張感が伝わった。
習氏は会談で「困難を経ても善隣友好の感情と協力の願いは変わらない」と述べ、ドゥテルテ氏は「両国は協力できる広範な空間がある。今日の会談は歴史的だ」と応じ、関係改善を最大限にアピールした。
ドゥテルテ大統領は19日の会…
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朝日新聞国際報道部