京大人文研東方学叢書
京都学派の伝統がひらく 深淵な東洋学の世界 * 毎年2冊配本/タイトル・内容・配本順は一部変更になる場合がございます。 2016年配本―11月刊行― 2017年配本―7月刊行予定― 2018年配本―3月、6月刊行予定― 2019年配本―2月、5月刊行予定― 2020年配本―1月、5月刊行予定―
京都大学人文科学研究所教授 冨谷 至 京都大学人文科学研究所、通称「人文研」は、現在東方学研究部と人文学研究部の二部から成り立っている。前者の東方学研究部は、一九二九年、外務省のもとで中国文化研究の機関として発足した東方文化学院として始まり、東方文化研究所と改名した後、一九四九年に京都大学の附属研究所としての人文科学研究所東方部になり今日に至っている。 新鮮な知的体験 国際日本文化研究センター名誉教授 井波律子 京都大学人文科学研究所の東方学研究部は、東方文化学院、東方文化研究所以来の歴史と伝統を受け継ぎ、九十年にわたって中国を中心とする東方学の研究をつづけてきた。総体として、その研究姿勢はあくまでもオーソドックスでありながら、これをきちんと踏まえて、個々の研究スタッフが主体的に研究対象と取り組むところにあると思われる。オーソドックスは正攻法ということであり、けっして古いということではない。この「京大人文研東方学叢書」は、こうした姿勢にもとづく研究成果を、古代から現代に至るまでの中国ひいては東アジアの思想、文学、歴史、芸術、考古学等々について、平明に説き明かしたものである。堂々たる正攻法を基礎に、さらなる飛翔をめざす「京都の中国学」のこうした試みは、必ず多くの読者に新鮮な知的体験をもたらすことであろう。 東京大学東洋文化研究所教授 大木 康 京都大学人文科学研究所と東京大学東洋文化研究所は、東西の文科系研究所として、双子の姉妹のような関係にある。われわれは人文研の学問を心から尊敬し、よき仲間であることをたいへん光栄に思っている。東方文化学院京都研究所にはじまる人文研東方部が、まもなく九十周年を迎えようとする今日、研究員諸氏の研究内容を広く江湖に問わんとする「京大人文研東方学叢書」が刊行されるという。まことにご同慶の至りである。冨谷至教授の「刊行にあたって」では、「人文研の所員は毫も曲学阿世の徒にあらずして、正学をもって対処してきた」と宣言される。人文研が常に学問に対してど真ん中直球勝負で臨んできたことをわれわれはよく知っている。この人文研精神が脈々と受け継がれている「東方学叢書」第一期の完成を心待ちにしたい。 ―京大人文研東方学叢書発刊を喜ぶ 日本中国学会理事長・早稲田大学教授 土田健次郎 京大人文研のアジア学は、海外でも有名である。日本の人文学がとかく内弁慶になりがちなのとはわけがちがう。もちろん我々国内の研究者も、陸続と発信される研究成果からは限りない恩恵を受けてきた。人文研の成果には、研究員の個別的研究と共同研究によるものがある。その両者が相乗効果を生み、京都学派の輝かしい伝統を継承しながらも、新たな視界をも切り開き続けてきた。このたびその人文研東方部の第一線の研究者たちが、一般の読者に向けた叢書を刊行する。第一期のラインナップを見ただけでも魅力的なテーマが多く、心が躍る。人文研ならではの重厚着実な研究成果をふまえた刺激的なアジア学の世界が、しかるべき著者を得て、多くの読者の共有物になるわけである。アジア学を専攻する学生は言うに及ばず、アジアや日本に関心を持つ一般の読者に強く推薦したい。 |
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