こんにちは。ricoです。先日、歯医者さんに行ってきました。皆さん、歯を大切にしてますか?私が通院している歯医者さんは、看護師の友達が紹介してくれましてね。もしやラテンの血が流れているのでは?と思ってしまうほど、かなり陽気。
まずは座ってエプロン?を歯科衛生士がかけてくれますよね。それで、少し待つと先生がやってくる。こんにちは~と言いながら「さて、その後、お痛みはいかがですか?」と対面30㎝の近距離で聞いてくる。先生、マスクしてますからね、まあ近距離だからって緊張することもないわけですけどね。
ていうかですね、「お痛み」ってそんなワードあるんですね。「お悔み」に似てて、ちょっとビックリしますよ。どこまでの名詞に「お」をつけていいんですかね。高貴を装うつもりなのか、そこ「痛み」でよくないですか?お台所、お紅茶、おビール。気取ったご婦人かって。
そんなこと考えてたら、無言の時間が数分過ぎたようで、先生がもう一度「お痛みはいかかですか??」って少し大きな声で聞いてきましてね。これは突っ込まずにはいられない!とか思って「お・・・」(お痛み、なんてそんな言葉あるんですか?)←心の声ね、言おうとして、ここで脳からストップ指令が出されまして、そんなどうでもいい事は放置放置!ムダ話すんなよ、患者さんが沢山待ってんだぞ、と。
でも、最初に発した「お」の引っ込みがつかなくなって、「お、お疲れさまです」と、まだ治療が始まってもないのに、いつも使ってるからか迷いなく元気な声が出てしまい、なんだか妙な空気が流れるという。一瞬、は?な顔されましたけどね、「では、椅子を倒しますね」と、なかったことにしてくれましたよ。椅子がゆっくり倒れるのを見ながら、先生はお得意の「トトロ」をマスクの奥から口ずさむ。
ふんふふん、ふんふんふんっ♪(トトロの曲調で)合いの手に「はい、口開けて~」ふんふふん、ふんふんふんっ♪「はい、もっと大きく~」合唱団かよ。いえいえ、治療中。ふんふふん、ふんふんふんっ♪「はい、バキューム~」と助手に指示。でもって、歌は一旦やめて、カリカリカリっと削った後に「オッケ~、はい噛んで~」と、言われるままにぐっと噛むと「はい、グッジョ~ブ」
いつもこんな調子で治療が終わるのですけど、今回ばかりはちょっと違ってた。宮崎駿ワールド繰り広げ「オッケ~」連呼のリズムに乗って治療も終盤にささしかかった、その時。「あ!」先生がマスクの奥から小さな声でつぶやいたのを私は聞き逃しませんでしたよ。何?今、あ!って言ったよね、先生。私の歯をカリカリしながら、あ!って言いましたよね。
この不安な気持ちを先生に伝えたい。あ!の訳を知りたい。でも、目はタオルで覆ってあるし、口はなんやかんやと複雑なことになっている。気持ちを伝える手立てがみつからない。先生、何やらかしたんですか、私の口腔内で。歯は女の命ですって。冗談やめてくださいよ。そうだ、何かあるときは左手を挙げてくださいって、言ってた。そうだ、そうだった!
こんな見事な挙手が今までにあっただろうかってくらい真っ直ぐに美しくピーーーンと、挙げましたよ。右手・・・。
イタっ。
私の右側で治療中の先生を右手の甲で思い切りやってしまいましてね。もはや先生の「あ!」の訳を聞く空気ではなくなり、ただ、ただ平謝りでしたよ、もう恥ずかしいったらありゃしない。それから治療が終わるまで先生はトトロもオッケ~も封印されました。あの時の先生の「あ!」という、あちゃ失敗した的なかすかな声が今も遠くで聞こえています。なんだったんだよ。