文部科学省の有識者会議は20日、学校図書館の運営・管理を担う「学校司書」を養成する上でのカリキュラムの指針を示した。大学・短大で図書や雑誌などの収集・管理、図書館の授業への活用法などを学ぶ10科目20単位を履修することが望ましいとした。これまでは必要な科目などに関する規定はなかった。
学校司書は教員が務める司書教諭とは別に、図書館の業務を専門的に担う事務職員。小中高校ごとの配置が努力義務として規定されている。文科省の調査では2016年4月時点で、公立小学校の59.3%、公立中学校の57.3%に配置されている。
ただ必要な資格など制度上の決まりがなく、司書や司書教諭の資格などを参考に自治体ごとに採用条件を定めており、知識や技能にばらつきがあった。
指針では資料の収集・管理を学ぶ「図書館情報資源概論」や、授業への図書館活用に関する「学習指導と学校図書館」などの科目を必修とした。大学・短大によっては司書や司書教諭向けの科目と内容が重なるものもあり、それらを代わりに履修してもよいとした。
文科省は教育委員会や大学などに通知し、科目を設けるよう促す。