1999年7月5日(月)のParis-Turf紙一面の囲み記事

Patrick Barbe: << C'est un veritable phenomene!>>

非常にハイレベルのメンバーだった第91回サン・クルー大賞を勝って、
日本の4歳馬エルコンドルパサーが桁外れのチャンピオンであることが
明らかになった。

直線の中ほど、2頭のペースメーカーが作ったかなり厳しいペースの中で、
Kingmambo産駒の彼は、一流のライバルたちを尻目に馬なりで、文字通り
飛び跳ねていたのだ。本当に印象的だった。渡邊隆氏のエージェントである
パトリック・バルブ氏(15年前からこのファミリーのために働いている)は、
この去年のジャパン・カップ勝ち馬がヨーロッパで最も強いとされる4歳馬
のうちの何頭かを軽々と破ったのは驚くべきことではない、としている。
「エルコンドルパサーは本当に天才なのです! 日本で7戦して一度しか
負けておらず、しかもこれには正当な理由があったことを考えれば、
(今回の優勝は)偶然ではありません。日本の外での初めてレースは、
ロンシャンでのイスパーン賞のときですが、6ヶ月の休み明けで、彼の
適性には必ずしも合わないレースでした。今回はそんなことはなく、彼の
絶大なる才能の広がりをこうして証明することができました。ご承知の
ように最終目標は凱旋門賞ですが、ステップレースとして9月のレパーズ
タウンでのIrish Champion Stakesか、Prix Foyを検討するつもりです。
いずれまたお話しする機会があるでしょうが、引退後は社台ファームで
種牡馬入りすることがすでに決まっています。」

しかしもし、彼の関係者や日本の競馬関係者にとって幸運にも、エルコンドル
パサーが凱旋門賞を勝ってしまうとなると、2度めのジャパン・カップ参戦
についての疑問がわいてくる。(もし出走するなら)とてつもない観客数の
記録をもつ11月の東京競馬場は熱狂の渦と化すことだろう。

(一面記事本文へ)

(メモ)
「エルコンドルパサーは本当に天才なのです!」
"veritable phenomene"は日本語にしにくい語句ですが、馬のことなので
秀才、奇才、鬼才、異才などとも訳せないので、ちょっとニュアンスは
違うのですが「天才」にしてしまいました。

translated by K. Maruyama.

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以上

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