日弁連、死刑廃止宣言を提案へ 7日の大会で

2016/10/3 21:21
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 日本弁護士連合会(日弁連)は7日に福井市で開く「人権擁護大会」で死刑制度の廃止宣言を提案する。日弁連はこれまでも死刑が執行された際に抗議声明を出してきたが、組織として「廃止」を打ち出すのは初めて。大会参加者の過半数が賛成すれば採択される。

 提出するのは「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言案」。国連犯罪防止・刑事司法会議が開かれる2020年までに死刑制度の廃止を目指すほか、死刑に代わる制度として仮釈放のない終身刑などを導入することを盛り込んだ。

 宣言案は「冤罪(えんざい)で生命を奪われれば、取り返しのつかない人権侵害になる」と指摘している。

 日弁連は11年の人権擁護大会で死刑廃止について社会的議論を呼びかける宣言を採択、制度のあり方について検討してきた。死刑を事実上廃止する国が世界的に増えていることも踏まえ、「死刑制度と決別すべき時期が到来している」として宣言案を出すことを決めた。

 ただ弁護士の中には廃止に慎重な意見もある。犯罪被害者支援弁護士フォーラムは3日東京都内で記者会見し、「死刑制度の是非について一方の立場から宣言を採択することは個々の弁護士の思想・良心の自由に対する侵害」などとして反対を表明した。

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