トイレで女性を盗撮した動画などをインターネット上で有料配信していたサイト運営会社の役員ら十数人が、わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管容疑などで福岡県警などに逮捕されていたことが捜査関係者への取材で分かった。同社はネット上で盗撮動画などを買い取ったとみられ、県警は性的な画像の無断公表を禁じるリベンジポルノ防止法違反容疑で提供者も逮捕して全容解明を進める。盗撮動画サイトの運営側を検挙するのは異例。
捜査関係者などによると、役員らは今年8月、沖縄県宜野湾市の会社事務所のコンピューターに有償で配信する目的でわいせつな動画を保管したなどとされる。県警が同月、事務所を家宅捜索し、動画などを押収して役員らを逮捕した。一部は既に起訴されており、数人はリベンジポルノ防止法違反(公表)で追起訴されている。
同社が運営に関わったとみられるサイトは複数あり、海外のサーバーを通して動画を配信したとみられる。米ドルで月額料金を支払った会員がダウンロードでき、動画の中には福岡市の商業施設のトイレなどで盗撮したとみられる映像もあった。サイトには「芸能人」として顔の一部にモザイクをかけた女性の盗撮画像がアップされていた。サイトには、利用者から盗撮動画などを買い取るページもあり、動画を同社に売ったとみられる30代の男もリベンジポルノ防止法違反(公表目的提供)容疑で逮捕、起訴されている。【平川昌範】
【ことば】リベンジポルノ防止法
元交際相手の裸など個人的に撮影した画像や動画を報復のためにインターネットに流出させる行為を防ぐため、2014年11月に施行された。正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」。
面識のない相手を盗撮した性的な写真や映像を公表した場合も適用でき、被写体が特定できれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金、公表させる目的で第三者に提供すれば1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。