政治家には色々いますが、僕は、民主政治を究極のポピュリムズだと認識した上で、それでも自分の思いをどれだけ実行できるかに重きを置いていましたからね。支持率は向上させるのが目的ではなく、あくまでも思いを実現するための手段です。有権者の反応と自己実現、このバランスが現実の政治です。
有権者の顔色ばかりうかがうなら僕が政治家になる意味なんてない。これまで放置されてきた課題について問題提起して、皆に考えてもらえれば、それでよし。大阪での改革と大阪都構想が最たる例です。反対も多かったけど、それでも大阪の有権者は色々考えてくれた。
慰安婦問題は学者や自称インテリが完全に勉強不足ですね。まず論点設定。国内では被強制的な慰安婦が存在したかどうか(違法か合法か)だけを論争の対象だった。しかし国際的には残虐性のレベルの話なんですね。ここに外務官僚も日本の学者も自称インテリも気付かなかった。
残虐性のレベルの話が何に影響するか。単純には国際社会からの特別な非難です。そして一番重要な問題は、韓国との関係。日韓基本条約の解釈です。2000年国連決議1325第11項では残虐性の極めて高い人道に対する罪は、和解条約では解決しません。韓国の主張の柱はここでした。
日本は日韓基本条約で全て解決済みの主張。しかし日本の残虐性が特異であれば日韓基本条約によって解決済みとは言えなくなります。ゆえに僕は慰安婦問題における日本の残虐性は、他国がやった戦場の性の同類事例と比べてどうなのかと問題提起したのです。日本を正当化したわけではありません。
世界各国における戦場の性の問題と比べて、日本の慰安婦問題が残虐性で特異だったわけではないのは歴史的事実です。もちろん慰安婦の皆さんの環境が筆舌に尽くし難い環境だったことは事実であり、ここはしっかりと認識すべきです。これまでのタカ派のように正当化する話ではない。
そしてもう一つの問題意識は、政治家のダブルスタンダードと、政治学者や自称インテリのめんどくさいモノには触らないという無責任さへの一石。政治家は国内で威勢のイイことを言い、国際的にはしょんぼり。これが日本の外交の欠点です。学者連中は、騒ぎになりそうなことからは逃げる。
僕がやったことが全て正しいとは言わないけど、それでもあの発言以後、テレビメディアでは河野談話を取り上げ、産経新聞等が1年以上に渡って慰安婦問題を取り上げた。その間、これまで稲田防衛大臣をはじめ池田信夫氏などタカ派を気取っていた連中はダンマリ。
学者や自称インテリなど慰安婦問題は触れるべきではないというグループの総大将である朝日新聞が吉田証言を取り消し。このことで多くの人がこれまで左系が言ってきたことは何かが違ったんだと感じたでしょう。この流れで安倍政権の日韓合意。政治は流れです。
朝日新聞の主張に同調し、慰安婦問題を避けてきた学者やインテリ連中。国内だけで威勢のイイことを言っていたタカ派連中。慰安問題において大騒動となり、色々なことを考えながら、そして一定の結論が出る。こういう流れが政治でありこれは学者のお勉強とは異なります。貴女の分析は浅過ぎますね(笑)
僕は道徳家ではありませんし、人間性は悪いでしょう。ただ学者が想像できるほど、単純な思考回路では動いていませんよ。そんなレベルでは大阪都構想の住民投票まで持ち込めません。安倍政権の日韓合意に至るまでの流れをもう一度勉強すべきですね。従来の論点設定を越えなければなりません。
あの問題提起を内向きの男性目線と評価するようでは貴女もそこらへんの学者と変わりませんよ。一皮むけるには、一皮むける思考が必要です。慰安婦問題を日本の事例だけで国内視点で見るのではなく、国際視点で他国比較で冷静に見ようと主張したのです。他国の事例をもっと勉強するように。
まあこれは爺の小言レベルだけど、内向きの男性目線とかね、そういう決めつけは良くないよ。こっちもそれなりの経験を踏まえて、バカじゃないんだから色々考えてやってるの。きちんとした学者にはきちんと丁寧な議論をさせてもらっている。キャラ作りであっても一般的な礼儀は必要。
共感してくれない人もいれば共感してくれる人もいる。その判断こそが政治家にとって最も重要な政治判断。これは政治家が学者の研究領域に一定の配慮をするのと同じように、学者もでしゃばったらダメ。
政治学者など学者がやってしまう勘違いは自分が政治家と同じような気分になってしまうところ。有権者の感覚を掴むのはこれはプロの技術。学者にはできない。あの発言があったこととなかったことで国民全体の共感がどうなったかなど学者には分からない。
僕はね学者の研究は尊重していますよ。でもね有権者がどう感じているかを掴むのはこちらがプロだからね。学者もそこへの配慮が必要。僕の発言の前後の維新の支持率を再度見るように。そして僕のスタイルで既存の政党とやり合って現在維新というものが存在する。あの発言がなくてもまずはこんなもの
そういう捨て台詞も一般常識の欠如。でしゃばるなじゃなくて、自分では分からない領域もあること、実行プロセスがいかに大変かを謙虚に認識するようにということ。勉強してしゃべるのは簡単。実行するのがとてつもなく大変。そこを踏まえた意見を出せる政治学者が日本には皆無。そこを目指すべき。
経済学者日本の最貧困地域に挑む 鈴木亘著 東洋経済新報社を読むこと。これが実行プロセス。勉強して口で言うレベルの事は皆分かっている。それを実行するとなると。この実行プロセスを踏まえた意見でないと、全く意味をなさない。日本の政治学者の意見ってほとんどが実行プロセス無視。
大阪の諸課題の解決のためにどのような実行プロセスをたどるべきか。その視点から大阪都構想や大阪維新の会が発生した。最後の維新の党の分裂劇も。僕がやったことが全て正しいとは思わない。ただ批判するなら一点批判ではなく、流れ全体を捉えて、他にどういうプロセスがあったかを提示する必要あり。
掃いて捨てるほどいる政治学者の中で、若くして注目されるようになったんだから、大きな可能性はあるのでしょう。これからの日本がどうなるかは貴女の世代にかかっている。勘違い学者にならず、政治学をぐいぐい引っ張って。
※この記事は橋下徹元大阪市長のツイートを時系列順に並べたものです。
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記事
- 2016年10月19日 13:39
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