東京五輪:急浮上のボート韓国開催案、忠州市のインフラは

 朝日新聞が18日に報じた東京五輪ボート・カヌー競技の韓国開催案を国際オリンピック委員会(IOC)が実際に推進すれば、韓国・忠州市では「ミニオリンピック」が開催されることになる。

 2013年に忠州で開催された世界ボート選手権で組織委員会競技部長を務めたキム・ミョング氏(46)は「五輪の試合が開催されるとなれば、ボート競技だけで国内外から20万人以上の観客が訪れるだろう」との見通しを示した。世界選手権のときは約16万人の観客が訪れたという。韓国開催の可能性が報じられた18日には、日本の主要メディア各社も一斉に忠州市を訪れ、ボート場やインフラについて取材した。

 IOCが検討対象としている「忠州弾琴湖国際ボート競技場」は、五輪開催に当たって十分な能力を備えた競技場だと評価されている。13年の世界ボート選手権以外にも、仁川アジア大会(14年)と光州ユニバーシアード競技大会(15年)のボート競技も開催している。建設には632億ウォン(現在のレートで約58億円)が投じられ、世界選手権の際には国際ボート連盟(FISA)の関係者が「世界最高水準のデザインと施設」と高く評価した。忠州市は、約1500人とされる五輪選手団の規模が、世界選手権(約2300人)より小さいため、宿泊・交通などのインフラ面でも問題がないとの立場だ。世界選手権と同様、忠州の企業研修施設を選手村として活用し、忠州市南部の水安堡面周辺のリゾート施設やホテル、市内の宿泊施設を利用すれば、宿泊需要も満たすことができるというわけだ。

 IOCは忠州市をボート競技会場の代替候補地として検討しているものの、現時点ではカヌーのスラローム競技場がないため、さらなる検討が必要だ。忠州市の関係者は「仮にボート競技だけが来るのなら、忠州市としては断る理由はない」として「支援と協力を惜しまない」と述べた。

イム・ギョンオプ記者
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