西之島の拡大に伴い、島の西方で広がるEEZの海域=海上保安庁提供
海上保安庁は19日、小笠原諸島・西之島が2013年からの噴火で拡大し、領海と排他的経済水域(EEZ)の合計が約50平方キロ広がるとの見通しを明らかにした。今月下旬から海岸や海底を詳しく調べ、領海の起点や水深を反映させた「海図」を作製する。
海保によると、13年11月に島の南東約500メートルの海底で起きた噴火で新島が出現し、火口から流れ出た溶岩が冷え固まって元の島とつながった。島は南北と東の方向へ拡大し、今年9月の総面積は噴火前の12倍にあたる2.68平方キロに達した。
これまでの航空機の調査から推計すると、領海は主に3方向に約70平方キロ広がる。EEZは約130キロ東の父島や約210キロ南の北硫黄島を中心とするEEZと重なり、西側のみで約50平方キロ広がる。しかし、新たに領海となる約70平方キロがEEZに含まれているため、この海域を差し引くと、EEZは20平方キロ狭まることになる。
領海は陸地沿岸から12カイリ(約22キロ)、漁業や海底資源に優先権があるEEZは200カイリ(約370キロ)までの海域を指し、沿岸国が国連海洋法条約に基づいて定める。
調査は今月22日〜11月10日で、国土地理院の職員も加わって島に上陸する。海図は半年ほどで作製できる見込みで、公開すれば拡大した領海などが画定する。【内橋寿明】