ここ一週間で周りの人に聞いた、見に行ったほうが良い映画。
テスト期間の空き時間を使い、映画館へ『君の名は。』を見に行ってきました。
「まだやってるかな?」と心配していましたが、さすが興行収入150億。まだまだたくさんの映画館で上映されていました。
ちょっと遠出をしたいなーということで、大阪ではなく神戸まで、映画を観に行くことに決定。
新海誠のイメージ
私が初めて観た新海誠監督の作品は、かの有名な「秒速5センチメートル」。
中学生か高校生ぐらいだった気がします。
ほかには「言の葉の庭」と「雲の向こう、約束の場所」を少しだけ見た程度ですが、アニメーション映画の中ではとても好きな雰囲気でした。
個人的な新海誠作品は
・長く詩的なモノローグ
・背景の緻密な書き込みと美しさ
・女の子を描くのがすきそう
・登場人物の表情が不安
全体的な丁寧さと、物語のたくさんの線の引き方?(感情が一つではない描き方)、少し残るチープさが愛らしく、とても固有性のある監督さんだなあと感じていました。
『君の名は。』率直な感想
そんなイメージと印象を踏まえての今回の鑑賞でした。
できるだけ前情報は入れないでおこうと思って、ネットの感想やニュースはシャットダウンしていました。
なのですごく新鮮に見れたのはとても良かったです。
あらすじやネタバレなどはほかのブログやサイトで詳しく載っていると思うので、そのページを参考にしてみてください。
私は細やかなレビューは苦手なもので。。。
映画を観終わってすぐの第一声は、
「疲れた、、、。」
でした。
それはマイナスの意味ではなく、映画としてとても見ごたえがあったから。
冒頭から20分ぐらいは、「深夜アニメでたまにあるすごく当たりな作品」感があり、こういう感じで進んでいくのかなーとちょっとがっかりしたのですが、瀧君たち三人が飛騨に行き、三葉についての真相に触れてからの展開は長編映画そのもの。
そこからの情報量と話の進み方は、私がイメージしていた新海誠監督の映画のはるか上を行っていたので、ついていくためにすごく見入っていたのだと思います。
だから「疲れた」のかなーというポジティブな感想でした。
高校生たちも感動したといっていたので、恋愛面が強く協調されているのかと思ったら、それほどでもないように感じました。
もちろんメインは三葉と瀧くんの「結び」や関係性、出逢いや再開の流れなのですが、話として後半のスリリングさ、何度か絶望するような場面も挟まれているため、その話の展開のほうが印象に残っています。
これだけ評判になっていたら何か悪いところでも探してやろう、という邪な姿勢もあったのですが、そんな気持ちは消えるぐらい「良い映画」を観た気がしました。
なるほど、世代を選ばない作品だなあと。
唯一あげる疑問点
出来るだけ映画の感想や情報はシャットダウンしていたのですが、その中でも入ってきた記事や話の中で、多くて不思議に思ったのが、
「細田守監督作品との比較」です。
やれ「時をかける少女」と比べ、「おおかみ子供の雨と雪」とも比べ、「サマーウォーズ」や「バケモノの子」も引き合いに出したり、、、
いやいや、なんでそこ?と思っていました。
アニメ映画ならなんでも一緒くたなのかと。
しかし、見終わってから冷静に考えると、それらの考察、一理あるなあと思ったのです。
確かに、新海誠監督の繊細な風景描写や話の造り込みは素晴らしかったのですが、どことなく細田作品を彷彿とさせるような描写が多かったかもとは思いました。
爆破に向けてテッシーと二人で企むところしかり、入れ替わりのコミカルなやりとりしかり。
(神木隆之介に引っ張られたのかなあとも思いつつ、、、)
すごく良い映画でしたが、一点だけ疑問を挙げるとすると、
「新海誠でなくても良い映画だったかもしれない」
という感想です。
疑問なので、だから悪いとかそういう意味ではなく。
きっと幅広く見られていく映画妥当とは思うのですが、私の描いていた新海誠監督の作風よりも、よ大衆向きで、いろんな意味で面白く仕上がっていたように感じました。
アニメ映画の未来
今まで日本のアニメ長編はジブリ作品一強でした。
たまのディズニーやテレビアニメの延長もありましたが。
私としては今敏を第一に挙げたいのですが、世間としてはまだ小さい枠組みの中で止まっていて、社会全体に見られるアニメの代表はやはりジブリ。
今までの新海誠作品もそう。ネットや一部で白熱しても、ジブリに並ぶのはすこし難しかった印象でした。
そんな中、コンスタントにヒット作を飛ばし、ロードショウでも流すことのできる作品を多く作り出したのが細田守監督だったような気がします。
新海誠監督も、きっとそこに続いていくんだろうなあ。と感じています。
だからこそ、代表作扱いになるこの「君の名は。」は、もう少し他の作品と差別化できたものだったらなあというのが本音です。
あたらしいアニメーション映画の柱として、これからどんな作品が生まれるのか、楽しみですね。
いろいろ書きましたが、とても良い映画には間違いなかったです。
夜は中華を食べ、良い休日になりました。