HOME > 新製品レビュー > 新製品レビュー:ソニー「HAP-Z1ES」に追加された機能を試す
2016年10月19日/木村雅人
ソニーから発売されているHDD内蔵のオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」の本体ソフトウェアのアップデートが10月18日アナウンスされた。注目はその内容で、下記機能が追加となっている。
・ネットワークサーバー機能
・USBデジタル出力機能
・フェードイン/フェードアウト機能
中でもネットワークサーバー機能とUSBデジタル出力機能は、「HAP-Z1ES」の価値観を良い意味で覆すものだ。今回はいち早く、その使い勝手をチェックしてみたい。
【関連ニュース】
・ソニー、HAP-Z1ESの大型アップデートを実施。サーバー化&USB出力が可能に
試す前に、「HAP-Z1ES」についておさらいしよう。本機は2013年10月に発売されたHDD内蔵のオーディオプレーヤー。ネットワーク機能は備えるものの、この時点ではネットワークサーバーとしては利用できない。ネットワーク機能はデータの伝送用で、PC内の音楽ファイルをHDDにコピーするのに利用していた。
その後数度にわたってアップデートが行われており、使い勝手向上やセキュリティー面でのブラッシュアップはもちろん、高音質化を目的としたものもある。2014年10月のアップデートではオーバーサンプリングに高精度演算を可能とするプレジションモードが追加され、2015年11月のリリースでは、本体に外付けCD/DVDドライブを接続して、PCを使わずに内蔵HDDへ楽曲をリッピングできるようになった。新製品に入れ替わり、機能が強化されるオーディオ機器は珍しくないが、ソフトウェアの書き換えで、ここまでドラスティックに進化している製品は、そうそうないだろう。
では、各機能を確かめていこう。
ネットワークサーバー機能を端的に言うと、「HAP-Z1ES」をNASのように扱えるというもので、本体内(外付けしたHDDの内容も含む)の音楽ファイルを、同一ネットワーク上にある別の機器から再生できる。すでに本機を使っているユーザーの利便性向上は、空前絶後のレベルだ。
早速筆者の環境で試してみるとPCやiPad Proなどのネットワーク機器から「HAP-Z1ES」を簡単に探して、アクセスやファイルが再生できた。今まではNASやPCから必要に応じて本機に音楽ファイルをコピーする必要があったが、アップデート以降は本機に集約しておけばいい。この違いは大きい。
USBデジタル出力は「HAP-Z1ES」のUSB端子に接続した外部機器でD/A変換が可能となる機能だ。これまで本機はデジタル出力が事実上不可能だったので、使いこなしの幅が広がる。DSDファイルも本機が再生可能な型式ならDoPで出力が可能だ。ただし、対応機器が同社のUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」とコンパクトオーディオシステム「CAS-1」に限られている。ざっと試したところ、上記以外にも利用できそうな機器もあったが、保証外とのことなので、今回は深追いしていない。
USBデジタル出力は「TA-ZH1ES」で試した。PCMはもちろん、DSDも難なく再生されたのを確認できた。その音質は......後日掲載される「TA-ZH1ES」のレビューを読んで頂きたい!
フェードイン/フェードアウト機能は説明が不要と思うので割愛させていただく。
HAP-Z1ESの今回のアップデートは、音楽再生とオーディオの自由度を広げた内容と言えるだろう。これに、すでに運用中のNASに保存されている音楽ファイルにアクセスできるようになれば、ネットワークプレーヤーとしての機能はほぼ揃うだろう。次回のアップデートに、否が応でも期待が高まる。
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