国土交通省は、大型トラックの荷台二つを連結させた「長いトラック」を、公道で走らせる実験を11月から始める。1台の車で運べる荷物量を増やすことで、ネット通販の拡大を背景に深刻化しているドライバー不足の解消を図る。トラックの長さ規制を緩和し、早ければ2018年の実用化を目指す。
トラックは国内輸送の9割を担うが、ドライバーは不足している。国交省などが15年に全国1252の運送事業者に行った調査では、68・8%の事業者が、ドライバーが「不足している」と回答、休日出勤や時間外勤務でしのいでいることがわかった。従来の物流に加え、近年はインターネット通販の拡大もあり、宅配便が増え続けていることも影響している。
このため国交省は、1人のドライバーが運べる量を増やすことを検討。道路法に基づくトラックの全長規制を現在の21メートルから25メートルまで伸ばし、大型トラック2台分の荷台を連結させ、1台で運ぶ案が浮上した。実験は11月から、カーブの少ない新東名高速道路を中心に行う。物流企業も参加し、安全性や交通への影響などを調べる。
国交省は安全性を重視し、実用化後も、長いトラックが走れる場所をカーブが少ない幹線道路などに制限する方針。車体に後部確認用のカメラ設置を義務づけるなどの安全対策も検討する。(伊藤嘉孝)
朝日新聞社
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