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嫁を動かす

HOW TO WIN WIFE AND INFLUENCE PEOPLE

ゴボウの花にはトゲがある件

嫁を動かす-嫁

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ゴボウ(牛蒡)。ユーラシア大陸原産でキク科の多年草である。

 

日本では江戸時代から主に根の部分を食用として、また生薬や漢方薬としても用いられた。近年では、抗酸化作用が老化防止に効果があるとして、ナウでヤングな若者にも人気となり、サラダやスープにして食されている。


アンニョイな夕方。ゴボウの土臭さがキライだというキラキラ女子の嫁が、スーパーの袋から華麗に飛び出したゴボウを抱えて帰って来た。

 

下ごしらえがメンドクサイこのゴボウという食材は、我が家ではたまにしかお目にかかれないものである。ワタクシが食べたくなった時に買って来て自分でムッキーでムキムキしているのだが、嫁が積極的にゴボウを買ってきたということは、何か裏があるハズである。そもそも、嫁は料理をしない。

 

ワタクシが警戒しつつ理由を尋ねると、明日、幼稚園の親子遠足で作る豚汁の食材を、各家庭から切って持ち込まなくてはならないそうだ。なるほど。我が家は大根とゴボウ担当になったらしい。


様子をうかがっていると、晩御飯の支度をせずに慣れない手つきでゴボウを洗い始めた。ササガキにして持っていかなくてはならないからね。

 

嫁はスマホで必死にササガキのやり方を検索しながら、包丁で切ったりピーラーで削ったりしているが、指が落ちそうで見てられない。できたササガキを見るとゴボウのバラバラ死体みたいなのが積み重なっていた。

 

かつて太平洋戦争において、欧米人の捕虜が収容所でゴボウを食べさせられ、木の根を食べさせる虐待を受けたとして、何人もの日本人が戦犯に問われ実刑を受けている。コレを遠足に持っていけば、幼稚園のママ友から嫁が訴追される危険がある。


愛する嫁を守るためワタクシは助け舟を出して、ゴボウはやるからダイコンよろしくとバトンタッチした。ちなみにゴボウのバラバラ死体は夕飯のスープの具にしておいた。

 

かつてブラック企業に就職し同期にゴボウ抜きされて、ゴボウが取れそうな山奥の子会社に出向させられた経験を持つワタクシは、ササクレた指と包丁一本でササガキをキレイに仕上げ、土臭いと言われないように水につけて嫁の訴追を防いだ。(所用時間1分)

 

さらに、ダイコンの皮を桂剥き(所用時間30秒)して嫁の自尊心を傷つけないように、イチョウ切りをお願いします!とまな板と包丁をセットして頭を下げた。

 

嫁は少しやる気になって、10分くらいかかって大根のイチョウ切りをやってのけた。スバラシイ、諸君!ワタクシの嫁は大根が切れるんです!ちなみに厚さが1センチほどあったので、あとでコッソリすべてのダイコンをさらに半分くらいに切っておいた。


何かと手間のかかる我が家の嫁であるが、ワタクシはこれでいて、心はゴボウを漬けた水のように濁ることなく澄み切った気持ちでいる。

 

中国の賢人老子曰く

 

「上善は水のごとし」

 

尊敬するD・カーネギー先生の解説だと以下のように訳されている。

 

「河や海が数知れぬ渓流のそそぐところとなるのは、身を低きに置くからである。そのゆえに、河や海はもろもろの渓流に君臨することができる。同様に、賢者は、人の上に立たんと欲すれば、人の下に身を置き、人の前に立たんと欲すれば、人のうしろに身を置く。かくして、賢者は人の上に立てども、人はその重みを感じることなく、人の前に立てども、人の心は傷つくことがない」。

 

「人を動かす」228ページより引用

 

ワタクシに嫁の心を傷つける権利などない。ひたすら低くあり、それでいて海のような広い心を持つ最上の善の状態となるのである。嫁に頭が上がらないワケではない。自ら望んでやっているのだ。


諸君、ゴボウの花にはトゲがある。ワタクシも今さっき、ウィキベディアを読んで知った。嫁を罵ったりしていると、存在すら知らなかったトゲに刺されて痛い目をみるかも知れない。ワタクシも散々痛い目に遭って今の境地に達することができた。

 

常に水の如く低くあるのだ。いずれ流した涙とヤケで飲んだ酒は、川となり海に注ぐだろう。海はすべてを受け入れ、憎しみを洗い流してくれる。

 

そして、その大海原=太平洋でゴボウを洗うのだ!ワタクシは今回、コレが言いたかった。ワタクシのゴボウは潤いを欲している。嫁の海に飛び込みたい。

 

というワケで、知らない人のために、この言葉の意味を引用して脱稿とする。明日は遠足に行ってきます。

 

太平洋でごぼうを洗う

 

男女の性交において、女性の膣の締め付けがゆるいと同時に、男性の陰茎が細いため、男女とも十分な満足感が得られないたとえ。

 

ウィキベディアより引用