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首都ソウルの中心で“もぐら叩き” 石畳を諦めた韓国の「基礎のありか」
なぜこんな惨状になったのか。韓国通信社の聯合ニュース(電子版)によると、この道路は路線バスが1日平均で約3400台が通るなど大型車両の通行が多いと指摘する。一方、敷設工事に使用された花崗岩は数センチの薄いもの。またカラータイルは、日本では歩道に使われるようなもので、いずれも車道に適していないのだが、破損には別の原因も指摘されている。
現地紙の毎日経済(電子版)などによると、ソウルでは未使用地下水の流出が問題になって久しい。2013年のデータで1日あたり年間5万6709トン、ソウル全体から出る地下水(17万8599トン)のうち約3割が捨てられているという。こうした地下水は地下鉄や建物の構造部に地下水が吹き出ることを防ぐため、継続的に捨てているとされる。
この大量放出の結果、地下水とともに土砂も流れ、地盤沈下が進んでいるのだ。一部では地下に空洞(シンクホール)ができ、舗装の数センチ下に空洞が発生。人が歩くと重さで舗装が割れ、空洞に落下してけがをするという事案も複数発生している。また、石畳を敷く前の基礎工事が杜撰だったことも、メーンストリートの破損につながった。こうした都市開発の基本に関わる構造的な欠陥が「石畳の崩壊」という形で現れたのだ。
一方、公園の「目玉」の親水公園も、安心して子供を遊ばせられるような代物ではない。
朝鮮日報(電子版)など現地メディアは12年、韓国では水道水を直接飲む人は全人口の3%にすぎないとするソウル市上水道事業本部長のコメントを掲載した。韓国民が水道水を信用していないのだ。実際、11年にはソウルの水瓶の八堂湖が大規模汚染にさらされた。朝鮮日報(電子版)によると、上流にある屎尿処理場と下水処理場を併せた施設が集中豪雨で機能不全に陥り、大量の未処理の汚水が同湖に流出。水道水が臭って飲食に使えないという状況に陥った。
道路に水道と、いずれの問題も地盤を調査したり下水処理施設の位置を慎重に検討するなど“基礎”を軽視した結果のようだ。
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