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第28話のあらすじ
ラインハルトは帝国の人事についても、
次々に刷新を図っていた。
旧門閥貴族軍に属していたオッペンハイマーを、
憲兵総監に任ずる予定であったが、
彼が賄賂を差し出したため、ケスラーをその任に当てた。
また副官として当初はフェルデヴェルトを置いていたが、
ブラウンシュヴァイクの配下であったシュトライトを後任にした。
シュトライトの登用には、政治的な意味が込められていた。
ブラウンシュヴァイクの懐刀が屈したことにより、
ラインハルトの権力がより一層強化されるというものだった。
そんななか。
ケンプ麾下の艦隊が同盟軍と接触して、
ヤンが援軍に駆けつけたために撤退したという報告が入る。
これがキッカケで帝国と同盟は再び戦闘状態に突入した。
これを知った科学総監のシャフトは、
斬新な作戦を思いついてラインハルトに提案する。
その状況を密かに眺めていたフェザーンでは、
ルビンスキーがヤンをイゼルローンから引き離そうとしていた-。
第28話の台詞
ラインハルト「すると卿は心ならずも、
リップシュタット連合軍に与していたというのだな?」
オッペンハイマー「はっ、仕方なく協力はしておりましたが、
盟約に参加したわけではありません。
それもリッテンハイム侯の縁に連なるためのやむなき仕儀にて・・・」
ラインハルト「よかろう。それは問わぬ。
憲兵総監の職務に精励することで取り戻せばよい」
オッペンハイマー「閣下のご厚情、感謝の言葉もございません。
つきましては閣下。ほんのお礼の気持ちとして、
持参いたしたるものがございます」
ラインハルト「・・・礼?」
オッペンハイマー「エレール・マイヤーの名画でございます」
ラインハルト「私は絵はわからぬ。メックリンガーにでも言って、
しかるべき美術館に収蔵せよ」
フェルデベルト「はっ」
オッペンハイマー「閣下・・・いや、その、この絵は閣下ご自身に・・・」
ラインハルト「オッペンハイマー伯。卿は憲兵総監の地位にありながら、
自らの行為が法的にいかなるものであるか、理解しておらぬようだな」
オッペンハイマー「いや・・・」
ラインハルト「キスリング大佐!」
キスリング「はっ!」
ラインハルト「キスリング、オッペンハイマー大将を拘禁しろ。
贈賄の現行犯だ」
キスリング「はっ!」
オッペンハイマー「馬鹿な。シュトライトも許されたというではないか!」
ラインハルト「シュトライトは智謀に優れ、冷静沈着。
なれど、かの者を麾下に加えたるは、
その誠実さを惜しいと思えばこそ。卿には惜しむべき何物もない!」
(中略)
ナレーション「ジークフリード・キルヒアイスを失ってからのラインハルトは、
前にも増して人材の収集に意欲を見せた。
敵として戦いながら許されたファーレンハイトをはじめ、
沈黙提督の異名を持つエルンスト・フォン・アイゼナッハ、
かつて少年時代のラインハルトらの上司であった、
ヘルムート・レンネンカンプらを新たに大将に昇進させて、麾下に加えた。
ケンプ「たとえ麾下の一艦隊とはいえ、かくも一方的たる転進を強いられ、
閣下の常勝の令名を損ないましたること、陳謝の言葉もございません」
ラインハルト「百戦して百勝するというわけにも行くまい。
一度の敗戦は一度の勝利で償えばよい。いちいち陳謝は無用である」
(中略)
ロイエンタール「いいか、ミッターマイヤー、よく聞け。
おまえは結婚なんかしたがな、女という生き物は男を裏切るために、
この世に生を受けたんだぞ」
ミッターマイヤー「そう決めつけることもなかろう」
(中略)
ルビンスキー「信用?違うな。
従わざるを得ない状況に追い詰めてしまえば、信用度など問題にならん」
妙香の感想
休戦状態だった帝国と同盟ですが、
戦いに命をかけるラインハルトが、このままで終わるわけはないですね。
でも、彼はただの野心家ではなく、
公明正大で信賞必罰はきちんとしています。
オッペンハイマーはゴマをすって出世しようとした小物ですから、
遠ざけられたのは無理もないですよ。
私もああいう類の輩は嫌いです。
また、提督たちが噂話に興じていましたが、
そこでオーベルシュタインの意外な一面がわかりました。
年老いた犬のために、わざわざ夜中に鶏肉を買いに行くんですよ。
マキャベリズムが服を着て歩いているような彼も、
人間らしくていいところがあるんですね。
今回は「帝国の双璧」のエピソードが描かれましたが、
ミッターマイヤーとロイエンタールは対照的でした。
愛妻家の「疾風ウォルフ(ミッターマイヤーの異名)」ですが、
バラの花言葉までは知らなかったみたいです。
だけど、エヴァンゼリンとはとても仲が良く、
あの夫婦にとっては、プロポーズの一件は笑い話になっているでしょう。
結婚式でミッターマイヤーの両親が言ったセリフも、面白かったです。
父「(ロイエンタールを見て)・・・あれ、大丈夫かな?」
母「何がです?」
父「エヴァが目移りするんじゃないかね?」
母「何言ってるんですか。うちの息子だってなかなか良い男ですよ」
お父さんは余計な心配をしましたが、
銀河英雄伝説の女性陣は、
恋愛に関して一途な人がすごく多いですね。
そのあたりも共感できるところです。
また、この会話からミッターマイヤーは、
両親の愛情をしっかり受けて育ったと感じられますね。
しかし、ロイエンタールは幼児虐待というべき環境で育ち、
そのため漁色家でありながら、女性を愛せないという側面を持っています。
彼の母親もひどいですが、
父親が生まれてきたことを否定するのは許せないですね。
ロイエンタールはこういう深刻な生い立ちがあったせいで、
のちのち信じられない行動に走ることになるんですが。
信じられないと言えば、シャフトが思いついた作戦もそうです。
ラインハルトは「勝算あり」と見ましたが、
ヤンが相手ではそう簡単にはいかないでしょう。
フェザーンの暗躍も気になりますね。
ルビンスキーはヤンをどうしようというんでしょうか。
次回は「細い一本の糸」です。
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