韓経:サムスン電子、世界初10ナノ工程AP量産

韓経:サムスン電子、世界初10ナノ工程AP量産

2016年10月18日09時29分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  サムスン電子が世界で初めて10ナノメートル(nm)半導体製造工程を開発し、スマートフォン用モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)を量産する。14ナノメートル工程に続いて米国のインテル、ファウンドリー(半導体受託生産)業界トップの台湾TSMCとの差をまた広げた。

  サムスン電子は10ナノメートルシステム半導体工程で量産を始めたと17日、発表した。サムスン電子は昨年1月、業界で初めて14ナノメートルAPを量産した。1ナノメートルは成人の髪の毛の太さの10万分の1に該当する10億分の1メートルをいう。工程を微細化して半導体の回路の間隔を減らせば電子移動距離が減って性能は向上し、消費電力は減る。

  またウェハー1枚でより多くの半導体を作ることができる。サムスン電子は、今回の10ナノメートル第1世代工程で生産したAPは従来の14ナノメートル第1世代工程で生産した製品に比べ性能は27%速くなり、消費電力は40%減少した、と説明した。ウェハー1枚あたりのチップ生産量は約30%増えた。

  業界ではサムスンが10ナノメートル工程で自社APの新型エクシノスとクアルコムのスナップドラゴン(Snapdragon)を量産するとみている。これら製品は来年初めに生産されるギャラクシーS8などに搭載される見込みだ。

  サムスン電子は「従来のイマージョン露光装備でトリプルパターニング(回路を書き込むパターニング過程を3回繰り返す)技術を適用し、10ナノメートル工程を開発した」と説明した。サムスンは来年さらに性能を高めた10ナノメートル第2世代工程を導入する計画だ。

  ファウンドリー業界ではTSMCとサムスン、インテルが激しく競争している。微細工程でリードすればアップルやクアルコムなど顧客の誘致に有利だ。ファウンドリー市場の50%以上を占めるTSMCは現在16ナノメートル工程で量産中であり、10ナノメートル(来年初め量産)、7ナノメートル工程(来年中量産)を同時開発中だ。しかし7ナノメートルに注力し、10ナノメートルの開発が遅れる雰囲気だ。

  サムスンは7ナノメートル以下の工程ではイマージョン露光装備でなく極端紫外線(EUV)露光装備が必要で、生産性の向上は容易でないとみている。EUVは1台あたり数千億ウォンにのぼる。しかしTSMCは7ナノメートルまではEUVなしに従来の露光装備を利用できると考えている。

  業界の関係者は「TSMCがEUVなしに7ナノメートル工程を開発すればサムスンよりリードすることになるだろうが、そうでなければ10ナノメートル工程に集中しているサムスンが有利」と述べた。
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