効率的に会議を行いたければ、次の9ステップで進めるようにする。
1
本当に必要な会議のみ開催する
世の中の大半の会議は無駄なものだ。そして、無駄な会議は組織の生産性を大きく下げている。もし、あなたが会議の開催者の立場にいるのであれば、次のことをよく理解・検討した上で会議開催をしよう。
- チャット・メール・電話で済ませられないかよく考える
人数や視覚表現の制約により「直接議論したときの効率 > チャットやメールで議論したときの効率」を満たす場合にのみ会議を開催する。 - 会議は議論のために開催する
「情報共有」のための会議は生産性が低い。 - 定例会議はたいてい無駄
ただし、チーム・グループ内でのコミュニケーションを円滑にするための、情報共有会議だけは行う意味がある。
2
出席者は最小限におさえる
ここも重要なポイントだ。次のことを忘れてはいけない。
- 人が多くなればなるほど、議論は進みにくくなる
1番やってはいけないことは「関係のありそうな人をとにかく呼ぶ」ことだ。 - 発言しないであろう人=呼ぶ必要がない人
- 決定権のない人だけが集まる会議は無駄
議論が収束しづらい上、その会議で決めた方針が、意思決定者により全くの水の泡になる可能性があるからだ。
3
効率的に会議を行うための事前準備
ダラダラと会議をしないために事前準備を怠ってはいけない。
- 「議題」「決めること」は明確に出席者に伝えておく
- 資料があるなら事前配布
事前に読んでもらうよう伝える。どうしても難しければ、会議が始まった後、1分なり3分なり資料確認の時間を取る。 - 決定のために必要となる情報は、事前に集める
そして、これは重要なことだが、司会(ファシリテーター)は事前に結論をどういう方向で収束させるか、自分なりに決めておく。
4
忘れてはいけない会議の大原則
無駄に会議をしないために、ファシリテーターは次のことを意識するようにしよう。
- 時間は30分以下におさえる
それ以上かかるのは、議論が適切な順序で進んでいない証拠である。 - 議題をとことん具体的に
抽象的な議題を設定すると、会議が始まっても誰も発言しないなんてことになる
例:✕「問題Aをどう対処するか」◯「問題Aに対して対策(1)、(2)、(3)どれを実行するか」 - データ&論理 > 個人の経験・直感
- 結論を出すだけでなく「次に何をするか」を明確にする
5
はじめに「議題」「決めること」を具体的に共有する
ファシリテーターは会議が始まったら、まず「議題」「決めなければならないこと」を出席者に共有する。ホワイトボードがあるのであれば(会議始まる前に)書いておく。これは出席者が共通の目的意識で議論をするために重要だ。
「この会議では◯◯という問題について議論します。対象はホワイトボードに書かれている通りA、B、C案の3通りがあると思います」
6
議論を進め、結論を出す
議論を次のステップで進め、結論まで導く
- 議論がスムーズに始まらない場合は、立場が明確な出席者に対して質問を投げる
「◯◯さんは、対応案Aを支持されると思いますが、意見はありますか?」 - 基本的にはメリット・デメリットで議論を進める
各出席者の発言から①どの対応を支持しているのか ②その対応のメリットは何かを聞き取りまとめる。それが曖昧な発言については発言者に確認する
「つまり対応案Bを支持しているということで良いですか?」「その理由は◯◯というメリットが大きいと考えるからですか?」 - メリットに対して、デメリットがないか意見を募る
「対応案Bは◯◯というメリットがありベストにも感じられますが、デメリットはないでしょうか」 - 議論が行き詰まったら一度メリット・デメリットを整理する
「対応案Aは◯◯というメリットがありますが、△△というデメリットがあります。一方対応案Bは…」 - 結論が出たと感じられたら、要約し、認識に相違がないか確認する
「◯◯という理由から、対応案Bを実施するということで良いでしょうか」
7
結論で終わらずに「次に何をするか」を明確する
会議の最終的な目的は「結論を出すこと」ではなく「次の行動を明確化すること」である。以下のレベルで次の行動を整理しよう。
- 誰が
- いつまでに
- 何をするか
「対応案Bを実施するために、◯◯さんは△△のデータを集めてください。✕✕さんは、◻◻の合意を図ってください」
8
アイデア出し会議の進め方
アイデアを自由に出して決めていく会議の場合、進め方がやや変わってくる。いきなり「アイデアを出してください」とは言ってはいけない。漠然と感覚的に決まってしまわないよう、2ステップで決める。
- 取り組むべき問題・課題を決定する。
- その問題に対してどう対策するか=アイデア
アイデアを引き出すためのコツ
発散と収束をはっきりと切り分ける
2の対策案を募るときは、広くアイデアを募る(発散)⇒出たアイデアを実現性やポテンシャルを考慮しながら絞り込む(収束)というステップを踏むことにしよう。発散の段階では「的外れの意見が出ても、否定してはいけない」というのが大原則である。不ファシリテーターは、出席者の意見を全てポジティブにとらえて、ホワイトボード等に書いていく。とにかく発言しやすい空気を作ることが重要だ。
個人で考えるための時間を3分なり5分なり取る
意見を考えてもらい、順番に発言してもらう。そうすれば、出席者全員から意見を引き出すことができる。
付箋を使う
よくある手法だが、付箋にアイデアを書き出し、それを様々な切り口で整理していく。出席者に能動的に参加してもらいやすく、アイデアの収束もさせやすい。
9
要領よく議事録を残す
無駄に議事録に時間をかけてはいけない。どうせ議事録をじっくりと読む人はいないのだから、最低限の内容で良い。体裁にこだわる必要もなく、箇条書きで十分だ。もし社内のルールや空気感があるときには、使いまわせるフォーマットを用意しておき、そこにはめ込む。
議事録には次の5項目が書かれていれば良い。
- 議題(会議開催時のコピペ)
- 会議で挙がった主要な対策案・アイデア
- 決定案(結論)
- 3の決定理由と懸念(メリット・デメリット)
- 次のステップ(誰が、いつまでに、何を)
とくに重要なのは3と5だ。4は後から、また同じ議論に戻ってしまわないよう書いておきたい。
まとめ
以上の9ステップを守れば、無駄な会議は随分と減るはずだ。会議の無駄がなくなれば、 その分の時間・労力を、各個人の生産活動に充てられる。最後に9ステップをまとめておく。
- 会議はなるべく開催しない
- 本当に議論に必要な人のみ呼ぶ
- 事前準備を怠らない
- 会議の大原則を確認しておく(30分以下におさえる等)
- はじめに議題と決定事項を具体的なレベルで共有
- 議論を効率的に進める
- 結論で終わらずに「次に何をするか」を明確する
- アイデア出し会議は進め方を工夫する
- 議事録は最低限の項目を、要領よく残す