「事故再発」が致命傷に
アメリカの調査会社IDCによると、2016年第2四半期の世界のスマートフォン市場は、サムスンが22.8%でシェアトップ、アメリカのアップル(11.7%)、中国のファーウェイ(9.3%)が後を追い、3強体制となっている。
ライバルのアップルは9月に「iPhone(アイフォーン)7」を発売したばかりで、ギャラクシーノート7のユーザーが、サムスンからアイフォーンに切り替える動きも出てきそうだ。さらに致命的だったのが、中国のギャラクシーノート7ユーザーが、初期の製品交換の対象から除外されたことで、世界最大規模のマーケットを誇る中国での対応により、サムスンのブランドイメージ低下は避けられない。
スマートフォン市場シェア3位のファーウェイが、サムスンの失態をチャンスととらえ、攻勢をかけてくるだろう。 今回の事故は、9月に迫っていたアップル社の新製品販売を前に、サムスンがアップルに先駆けて新商品を市場に導入するため、ギャラクシーノート7の販売を急いだために発生した可能性は否定できない。
ライバル社との競争にとらわれるあまり、製品の安全性、顧客対応が後手に回り、今回の事故によりマーケットからの信頼が失墜してしまった。世界の携帯電話市場は約5年前まで、アメリカのマイクロソフトが買収したフィンランドのノキアが首位を独走。また、アメリカのオバマ大統領が愛用していたことでも知られるカナダのブラックベリー社も市場でその存在感を示していた。
しかし、スマートフォンのヒット商品を連発したアップルとサムスンが2社を追い越し、2012年にはサムスンが世界トップのシェアに躍り出た。マーケットプレーヤーが目まぐるしく移り変わる携帯電話市場においては、1つのミスが命取りともなりかねない。
今回の事故がサムスンを一層窮地に追い込んでしまうのが、クリスマス商戦に突入する最悪のタイミングだったことだろう。年末商戦での飛躍は期待できず、サムスンの今後の行方が危ぶまれる。(ZUU online 編集部)
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