蹴球探訪
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【首都スポ】逸材ずらり戦国ドラフト 東海発→首都圏経由2016年10月19日 紙面から 関東の大学生に指名候補が多い今秋のプロ野球ドラフト会議。もちろん首都圏出身者だけではない。東京六大学、東都大学、首都大学をはじめとした各リーグには、レベルアップを求めて全国から選手が集まる。東海大の完全男、丸山泰資投手(4年・東邦)、早大の148キロ左腕、竹内諒投手(4年・松阪)はともに東海地区(愛知、三重、岐阜、静岡)出身で関東の大学でプレーし、プロ志望届を出した。次なる新天地はどこになるのか。ドラフト会議は20日午後5時から行われる。
◆東海大・丸山 151キロ完全男大きなことは言えないが、確かな手応えも感じている。運命のドラフトが迫る中、丸山が表情を引き締めた。「まだ完全には戻っていないけど、春と比べたら試合をつくれている。今の調子では1位どころか下位指名かも…。でも、プロに入って学べば、もっと成長できると思う」 東邦高3年の夏は愛知大会で準優勝。愛工大名電の浜田達(現中日)と決勝で投げ合った。大学では2年春からリーグ戦で登板し、直球の最速は151キロまで伸びた。スライダーなどの変化球でストライクを取れるのも魅力。今ドラフトで、創価大の田中と人気を二分する桜美林大の佐々木と並ぶ首都大学リーグを代表する右腕だ。 一躍、脚光を浴びたのは昨春の日体大戦。46年ぶり、リーグ史上2人目の完全試合を達成した。「あの完全試合からプロが視野に入ってきた」。だが「1位候補」として迎えた、ことしは春先から右肩の炎症に苦しんだ。勝てない重圧から食事を取れなくなり、体重が8キロも落ちた。今秋は、チューブトレーニングで内部の筋肉を鍛えて、肩痛を克服。体重も調子も戻ってきた。 8球団から調査書が届いている。「結果が出ていないので指名されるのかどうか」と、本人は不安を口にするが、プロの評価は高い。中日・中田スカウト部長は「肩は問題ない。右の本格派で、低めに強い球を投げられる。上位候補」と、高い能力を認める。 「巨人には(菅野ら)大学の先輩が多いし、中日なら浜田と一緒にやってみたい。どこに入団しても、自分の仕事をやりきれる投手になりたい」。12球団OKの姿勢で指名を待つ。 (麻生和男)
◆早大・竹内 秀才左腕運命を変える恩師と出会ったのは南ケ丘中3年の夏だった。松阪高監督の松葉健司監督だ。「中学の監督と知り合いで、見に来てくれて、一緒に野球をやろうと言われました」。あの夏の日を竹内はそう振り返る。松阪は三重県有数の進学校。それからは机にかじりついて勉強。「めちゃくちゃしました。人生で一番勉強しました」 晴れて合格した松阪高の歴史を今度は竹内が変えた。3年夏、エース竹内を中心に、創部以来初めてとなる甲子園出場を決めた。1年秋に松葉監督から「プロになれる素質がある。目指してみろ」と言われてから約1年半、野球への取り組み方も変わって、120キロ程度だった直球は140キロ台になっていた。 甲子園では挫折を味わった。初戦の倉敷商に3−8で完敗。「全国舞台で力のなさを痛感した。このままでは厳しいと思い、大学で4年間鍛えようと思った」。進学先として思い浮かんだのが早稲田。中学時代、斎藤佑樹のファンだった母と一緒に行った神宮が強く印象に残っていた。 「2年のときにドラフト1位が2人も出て、すごいところにきたんだなって思った。でも学年が上がるにつれ、次は自分がという気持ちになっていきました」。いい直球を持っているのに、ばらつくのが悪いくせだったが、この秋は安定感も増した。東大戦初完封、ドラフト前最後の明大との3回戦は2回途中3失点降板したが、1回戦は8回まで1失点で、柳と互角に投げ合った。素材の良さはプロも高く評価している。 父は眼科の開業医で、野球とは無縁。「松葉監督と出会わなかったら、近くの高校に行って、ちょこちょこっと野球をやって大学ではやってなかったと思う」。竹内が持っている、東海発首都圏経由のキップの行き先はどこなのか。昨年のドラフトは安部寮のロビーのテレビで見た。「先輩が指名されてもうれしかった。それが自分だったら…と考え、ここで呼ばれるようになろうと思ってやってきた。どこでも指名してくれたところに行きます」。指名がなければ、社会人でリスタートする。運命の瞬間はチームメートと一緒に見る。 (小原栄二) ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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