バッハIOC会長、組織委を訪問「森会長の偉大な指導力のもと順調に準備」と絶賛
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(62)は、東京都の小池百合子知事(64)との会談から一夜明けた19日午前、都内の2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会を訪問した。
森喜朗会長(79)も同席した記者会見で「(組織委の)すばらしい準備作業を確認できた。全体的に職員も熱意をもって仕事に励んでいる」と絶賛した。
ボート、カヌー・スプリント会場の見直しに前向きな小池氏との会談では「13年招致時のルールを守ってほしい」と、見直しに否定的な見解を示したバッハ氏。前日に都、政府、組織委、IOCによる「4者会議」を提案し了承されたことに関して「これは(実務者レベルの)作業部会で、一番良い形で持続可能な大会ができるか考えるもの。政治グループではないため、誰が足を引っ張るとかそういう会議ではない」と、“小池包囲網”ではないことを強調した。
当初、会見に同席予定ではなかった森氏は、「小池知事」という名が出ると、怪訝な表情を浮かべ「(バッハ氏と小池氏の)会談の様子はテレビでつまびらかに見ていた。大事なことは、作業部会を始め、バッハ会長が提言されたことに協力して大会を成功させること」と話し、IOCとの二人三脚体制をアピールした。
会見に先駆け、バッハ氏は約250人の職員らを激励。関係者によると、バッハ氏は「森会長の偉大な指導力のもとで順調に準備を進めていることを高く評価している。今まで以上にIOCを頼ってほしい」と述べ、「ガンバレ東京2020」と日本語で締めた。森会長は、小池氏が大会運営に関して「ガバナンス(統治)が欠如している」といった批判したことを念頭に、「指導力がないとかガバナンスがないとかいろいろ批判はあるかもしれないが、もともと東京大会はバッハ会長が船長で我々はクルー。難しい荒波を乗り越えて、同じ目標に進む」とボート会場の船に引っかけ、知事への対決姿勢をにじませていた。