“強行採決”発言で山本農相が陳謝 民進などは辞任要求

“強行採決”発言で山本農相が陳謝 民進などは辞任要求
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TPP=環太平洋パートナーシップ協定の国会承認を求める議案を審議する衆議院の特別委員会の理事会が開かれ、山本農林水産大臣が出席し、強行採決をめぐるみずからの発言について「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝し発言を撤回しました。これに対し民進党などは「謝ってすむ話ではなく、責任を取るべきだ」と述べ、山本大臣の辞任を求めました。
TPPの国会承認を求める議案と関連法案の審議をめぐって、山本農林水産大臣は18日夜、「強行採決するかどうかは、衆議院議院運営委員長が決める」などと発言し、野党側は「担当大臣が強行採決に触れるとは前代未聞だ」などと反発を強めています。

こうした中、19日午後開かれた衆議院の特別委員会の理事会に山本大臣が出席し、「行政が国会に介入するような不適切な発言で、ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝し、みずからの発言を撤回しました。

これに対して民進党などは「謝ってすむ話ではなく、責任を取るべきだ」と述べ、山本大臣の辞任を求めるとともに、「特別委員会の塩谷委員長が強行採決しないことを確約しなければ、今後の審議には応じられない」と主張しました。

このため、理事会はそのまま休憩に入り、現在、与野党の調整が続いていて、午後1時から予定されていた特別委員会も開かれていません。

民進 今井氏 「みずから責任を」

野党側の理事を務める民進党の今井前幹事長代理は、記者団に対し、「山本大臣が来て謝罪をしたが、謝って済む問題ではなく、みずから責任をとっていただきたい。けじめをつけないと、信頼関係が壊れた状態では質疑はできない」と述べ、山本農林水産大臣の辞任を求めました。

共産 穀田氏「与党のおごり見える」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で、「まことに許しがたく、事は重大だ。議案を通せばいいという考えが政府・与党の根本にある。国会のことを議案を通してもらうための『機械』としか考えておらず、与党のおごりが見える。安倍総理大臣の任命責任を追及するためにも、徹底した審議を求めていく」と述べました。

公明 石田氏「容認できない発言」

公明党の石田政務調査会長は、記者会見で、「農政の問題の責任者として、断じてあってはならない、容認できない発言だ。発言を撤回して謝罪もしたということで、山本大臣自身が、なお詳しく説明する以外にないだろうが、辞任の問題は、本人が決める話であり、これ以上申し上げるところではない」と述べました。