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「フジだけは許さない」〈舛添要一〉前知事は闘志満々
十月九日、世田谷区内の閑静な住宅街。一軒家の階段から姿を見せたのはキャップをかぶった中年男性。Tシャツの上からでも立派な体格がうかがえる。他でもない舛添要一前東京都知事(67)だった。
最後の登庁から四カ月。舛添氏は表舞台に一切姿を見せていない。本誌や『フライデー』がジョギング姿や、変装して外出する様子を報じた程度だ。
「耐震工事のため、六月上旬から近くの借家に家族で転居していましたが、現在は工事を終え、元の事務所兼自宅に戻っています。辞任後、ポリスボックスは撤去されましたが、警察官は巡回しています。事務所もそのままで、女性スタッフが一人、終日働いているようです」(近隣住人)
平穏な生活を取り戻した舛添氏だが、過去の“清算”は済んでいない。
小池百合子知事(64)は、就任早々、舛添氏の海外出張費や公用車問題などを検証するプロジェクトチームを発足させている。
「プロジェクトチームの検証には舛添氏のヒアリングが必須ですが、彼が応じることはないでしょう。実際、九月末の都議会総務委員会で『ホテル三日月』の領収書など、資料提出を求められましたが、拒否しています。小池氏が公約として掲げた舛添問題の全容解明にはほど遠い」(都庁担当記者)
最近小池都知事は「舛添さんの尻拭いばかり」と周囲にこぼしているという。
また地元での評判も取り戻せていない。
「私的利用が報じられたイタリア料理店や天ぷら屋などに対して、会見で『ご迷惑をかけた』と口にしていましたが、未だに謝罪もない。住民の間でも『やっぱり口だけの人だ』と言われています」(地元商店主)
売却を約束した湯河原の別荘も登記簿上の持ち主は「舛添政治経済研究所」のままだ。さらには政治資金で購入した美術品を「美術館や病院などに寄付したい」と話していたが、事務所をのぞくと、大きな絵画が壁にかけられていた。
自らの弁明を拒む一方、ここに来て闘志を漲(みなぎ)らせている事があるという。
「フジテレビ『Mr.サンデー』の取材に人権侵害があったとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立てていた件が、八月中旬、ようやく審理が始まったのです」(舛添氏の知人)
五月放送の同番組で、ディレクターが自宅兼事務所の前で「舛添政治経済研究所」の代表でもある妻・雅美氏を直撃。その際、「未成年の長男と長女も至近距離で撮影され、二人は恐怖を感じた」と舛添氏サイドは主張しているのだ。
「フジ側は『れっきとした取材であり、執拗な撮影は一切ない』と真っ向から反論。しかし舛添氏は『フジを絶対にやっつける』といい、『これは勝てる』と自信を持っています」(同前)
この問題を雅美氏に尋ねるべく、インターホンを鳴らしたが、「取材はお断りしています」と答えるのみ。
さらに舛添氏本人に話を聞くべく取材を続けていると、冒頭のように地下の部屋から舛添氏が登場した。
「一切お答えすることはありませんので! 法的処理が終わってませんので! そういうことですから!」
通行人が振り返るほどの大きな声で記者を怒鳴りつけ、自宅に入っていった。
喉元過ぎれば、おなじみの“舛添スタイル”に逆戻りなのである。
「週刊文春」2016年10月20日号
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