「選挙で不正が行われている」発言
【ワシントン西田進一郎】オバマ米大統領は18日、大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補(70)が最近になって「選挙で不正が行われている」などと主張していることについて、「事実に基づいていない」として「泣き言を言うのをやめるよう忠告する」と批判した。
トランプ氏は今月に入り、過去の女性蔑視発言などが報じられ、民主党のヒラリー・クリントン候補(68)との支持率の差が開き始めた。トランプ氏は過去にも「大統領選は八百長だ」などと主張したことがあるが、最近になって「メディアがクリントン氏と協力して自身を攻撃している」との主張を展開。大統領選で「不正は大規模に行われている」などと繰り返している。
オバマ氏はレンツィ伊首相との共同記者会見で「状況が悪くなったり、負けそうになったりしたからといって、他の人を非難し始めるのでは、大統領職には就けない」と語り、大統領の資質に欠けると指摘した。
米国では、厳しい選挙戦の後でも、敗者は勝者を祝福するのが慣例だ。トランプ氏の主張については、「負けた場合の言い訳づくり」との見方がある一方、選挙前から結果を受け入れない姿勢を示して選挙の信頼性そのものを損なうものだとの懸念が出ている。