下記記事が話題になっているので、その内容についての記事を今回は雑談がてらに書いてみたいと思います。
親族が暴力団などの反社会的勢力の関係者なんて場合は一発アウトだ
もちろん本人や勤務先が反社会的勢力でもアウトだ
親族が暴力団だとカードが作れないのか?:
これ、なにやら本当の話だと信じ込んでしまっている方が多いようですが、実際にはそんなことはありません。家族や親族に暴力団、要するにヤクザの方がいる場合でも、自分自身が暴力団関係者でないのであればクレジットカードは作れます。
その理由は単純で、銀行やクレジットカード会社はカード申込をされたくらいでは、家族に暴力団関係者がいるかどうかなんて調べようがないため。
例えば暴力団に所属する父親とはすでに別居中で、東京で一人暮らしをしている子供がいる。この子供は父親と住所が違う状態ですが、クレジットカード会社ではそんなことお構いなしに総務省かなにかが管理している戸籍データベースにログイン出来て、父親や兄弟等の親族の個人情報(氏名、住所、職業)をすべて取得することが出来るのでしょうか?
- 親族に暴力団関係者がいるかどうかを調べるためには、戸籍でも調べないとわからない*1。
もちろんそんなことはありませんよね。どんだけゆるゆるな個人情報管理ですか…という話です(苦笑)。
暴力団本人もカードを作れてしまってる:
また、最近はだいぶ厳しくなってはいますが、ヤクザさん本人もしっかりクレジットカードは保有しています。
【問2】「クレジットカードは持っていますか?」
【回答】「はい」44% 「いいえ」56%
これも結果を聞いて面食らった。銀行口座と同じくこちらも本人名義である。
「もう10年近く前、会社の役員として正式に取得した。支払いも滞りなくしてる。更新できなかったカードもあるが、●●(伏せ字)は甘い」(60歳、関東)
対面で質問した際は実際のカードも見せてもらった。ゴールドカードには紛れもなく暴力団員の本名が印字されていた。ただし、東京近郊は審査が厳しいという。地方によって温度差がある。
当然、暴力団関係者がクレジットカードを申し込むことも、更には暴力団関係者に対してクレジットカードを発行することも違法行為*2。
しかし実際、これだけの方がクレジットカードを保有していることを考えると、クレジットカード会社の審査がそこまで詳しく暴力団関係者を特定できていない…ってことを物語っていますよね。
- 理想:すべての暴力団関係者にカードを発行しない
- 現実:審査で100%、暴力団関係者を特定できない
つまり反社に属する人そのものに対してもこのゆるゆるな審査なのに、『親族に暴力団関係者がいるから即審査落ち』なんてことは100%ありません。
加えて親族だからクレジットカードを発行してはいけないなんて法律もないので、クレジットカード会社としてわざわざ「お客さん」になる人をその理由だけで追い出すことはないのです。
身分を隠して申込すると捕まります:
ちなみに暴力団組員がクレジットカードを保有していることがバレると、不正にクレジットカードを取得した詐欺罪として逮捕されます(詳しくは下記記事にて)。
これはカード会社の立場からすると「暴力団関係者だという身分を隠してクレジットカードを不正取得した」という理屈のようですが、逆に言えば自己申告でちゃんと暴力団関係者ですよ…と言ってくれないとわからないというのが内情なのかも。
これが大手カード会社だと警察等から取得したリストと照合はしているようですが、中小カード会社だとなかなかそうはいかないのでしょうね。今後の改善に期待しましょう。
暴力団の親族に冷たい世の中にはなってほしくない:
最後に。
なんか間違った常識が広まっちゃいそうだったのでこの記事を書きましたが、個人的には「暴力団の親族が、それだけで不当に冷たい仕打ちを受ける」ことには強く反対です。
ほんと今回の話でもそうですが、仮に暴力団の親族がいるからという理由だけでクレジットカードを持つことが出来ない世の中だとしたらみなさんはどうですか?それなのに素直に『なるほど、暴力団の親族はカードが作れないのか』なんて納得しちゃダメだと思うんですよね。
実際、私の友人にも父親が暴力団だという理由で、なかなか友達を作れない悩みを持つ人がいます。
彼は現在、東京で大手企業の正社員として働いていますが、当然、クレジットカードもしっかり持っていますし、違法行為をするわけでもなくまっとうに生きている。そんな彼に不遇を味合わせるのではなく、応援してあげられるような世の中であってほしいなと切に思います。
あくまで悪いのは親であって、本人ではありませんよ*3。
以上、家族や親族に反社会的勢力(暴力団等)がいると、カード審査には通らない…は間違い!反社の家族がカード審査に与える影響について…という話題でした。
参考リンク:
カード会社のスタンスによっては、暴力団関係者の家族がいる場合で、更にその人とまだ同居している…という場合には、審査に軽微な影響がある場合は否定できません(あくまで軽微です)。
そのあたりの理由については下記記事にまとめてあるので参考にどうぞ。