内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」

IT部門の人口ピラミッド問題にどう対処するか

内山悟志(ITRプリンシパル・アナリスト) 2016年10月19日 07時30分

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 IT部門の人材戦略には眼前の課題も山積していますが、長期的な視点での危機感を募らせるIT部門長も少なくありません。人材育成には時間を要するため、IT人材に関する課題をIT部門に閉じたものから経営レベルの課題へと引き上げ、全社的な視野でロードマップを描くことが求められており、そのための時間的余裕はあまりないといえます。

長期的視点に立ったIT人材戦略上の課題

 IT部門の高齢化と年齢構成における歪みが問題となっており、ITRではこれをIT部門の「人口ピラミッド問題」と呼んで警鐘を鳴らしています。

 バブル経済の崩壊以降、IT部門には新人が回ってこない、優秀な若手人材が他部門に引っ張られていくといったことから、35歳未満のスタッフの比率が非常に少なく、最近になってようやく少し入ってきたことで、年齢構成グラフの形状が「ワイングラス型」になっていたり、さらに深刻な「カクテルグラス型」になっていたりする実態を指摘したものです(図1)。

 ある金融系の情報システム子会社では、5年後に従業員の半数を50歳代が占めるようになると述べていますが、似通った状況になりつつある企業も多いことでしょう。

IT部門の「人口ピラミッド問題」(出典:ITR)
IT部門の「人口ピラミッド問題」(出典:ITR)

 昨今の経営者や事業部門からの期待を考えても、ビジネスのグローバル化を支えるグローバルIT人材、グループ経営を支える人材、ビジネスとITをつなぐ人材など、高度なIT人材が求められていますが、こうした人材の育成もままならないほど逼迫した人員構成の企業も少なくないのが実態です。

 一方で、本社のスリム化、間接部門人員の削減、アウトソース化などが推進され、IT部門の人員数自体が少なくなるなか、他部門からの転籍、中途採用や新卒者の採用も思うように進まず、技術の空洞化や機能不全が危惧されています。

 40歳代や50歳代を中心とする少数のベテランスタッフに依存したIT組織運営の10年後に思いを巡らせて、危機意識をもつIT部門長は非常に多いのですが、一方でこの課題を認識している経営者や人事部門長は決して多いとはいえません。

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