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被写体に自殺した中2、授賞撤回 青森・黒石

2016/10/18 21:37
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 写真コンテストを実施した青森県黒石市の「黒石よされ実行委員会」が、いったんは最高賞を内定していた作品への授賞を事実上撤回していたことが18日までに分かった。いじめ被害を訴えて8月に自殺した青森市の中学2年の女子生徒が被写体だったことが理由。遺族は受賞予定だった写真を公表、氏名を葛西りまさん(13)と明らかにした。

 りまさんの父(38)は「いじめられても、笑顔だった姿をたくさんの人に見てほしい。二度といじめをしないでという娘の願いを伝えたい」と公表理由を話した。

 実行委と遺族によると、青森市の男性が8月15日、黒石市内の祭り「黒石よされ」で踊りを披露したりまさんを撮影し、同25日に亡くなったことを知らないまま、コンテストに応募。実行委は、遺族の了解を得た上で、男性の写真に最高賞の市長賞を贈ると内定した。

 しかし発表間近の今月13日、責任者の元黒石観光協会会長が「祭りの写真としてふさわしくない」と反対した。黒石市の高樋憲市長も14日、実行委に「多くの人に祭りを知ってもらうという賞の趣旨になじまない」と伝達。実行委は応募者の男性に賞の辞退を求め、男性は応じた。

 りまさんは、駅のホームから列車に飛び込み亡くなった。中1だった昨年6月から同級生に「死ね」などの悪口を言われるようになり、遺書には「二度としないで」と記されていた。〔共同〕

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