鉄道の車中で聴くべき音楽は、これだ! 「歌鉄」ミュージシャンが厳選|マネブ
「社会が性格にとって有益なものであると同じように、孤独は想像力にとって有益なものである」(パーシヴァル・ローウェル)
せっかく休日を得られたとしても、スケジュールに追われ「休み方」を忘れてしまっている自分に気づく。社会人なら誰しも経験があることだろう。家族や友人と予定を合わせたり、好みを把握して調整することに疲れる時もある。ただ一人で、気軽にふらっと出かけられる時間は、お金を払ってでも手に入れたい贅沢なひとときかもしれない。
列車はリズム、装飾音を奏でている!よく耳を澄ませてみよう。列車は音楽を奏でている。モーターによって音程や音色が違うし、レールの軋みが刻むリズムも路線によって様々。コンプレッサーの唸りやドアの開閉音は車両独特の装飾音だ。列車はModerato(中くらい)からAllegro(速く)へ速度を上げ、駅へ近づけば徐々にrit.(速度を落とす)する。一駅ごとに異なる曲のようなテンポがある。
これにお気に入りの楽曲を掛け合わせると、部屋でじっと聴いているのとは違った聴きごたえになる。移りゆく車窓は季節や時間帯ごとに表情を変えていくし、たまたま乗り合わせた人たちによって見える色合いが変わっていく。その時によって音楽の聴こえ方も変わっていくから不思議だ。
シンガーソングライターとして音楽活動をしながら日本の鉄道路線を乗り通すという経験をする中で、いくつもの美メロと素敵な車窓に出会った。そんな私の音楽遍歴と旅の記憶をもとに、おすすめの「聴き鉄」ミュージックを紹介していきたいと思う。皆さんのお気に入りも織り交ぜて、楽しんでいただきたい。
■ 日暮里・舎人ライナー ■
2008年3月開業の新交通システム、ターミナル駅の日暮里駅を抜けた後、ビルの5~6階相当の高さを幹線道路に沿ってスピードを上げていく。ほぼ直線でカーブが少なく、乗り心地は悪くない。基本的に無人運転なので先頭車両の最前列を確保したい。景色を楽しむのに打ってつけだ。
電車と違って架線柱がなく、隅田川・荒川などの河川や首都高速を越える度勾配になるこの路線は見晴しがいい。終点の見沼代親水公園駅まで所要時間約20分。往復でアルバム約1枚分聴ける、「聴き鉄」ビギナーにとってちょうどよい長さである。
■ 多摩都市モノレール ■
東京近郊のおすすめ高架路線といえばここもはずせない。2000年1月に開業した多摩都市モノレールにも最前列席があり、確保できれば上北台駅 - 多摩センター駅間の約16km・約36分間の眺望があなたのものとなる。武蔵野の丘陵地帯に張り付くように広がる住宅地帯の上空を悠然と通過していく。終点の上北台駅に到着したらそのまま折り返してもいいし、下車して北方面へ向かい西武鉄道・西武球場前駅まで多摩湖を渡る徒歩ショートカットを楽しむルートも面白い。
■ ゆりかもめ(東京臨海新交通臨海線)■
1995年に新橋から有明、2006年に豊洲までの14.7kmが開業した東京都心の新交通システム。道路と並走したり、海上を渡ったりループがあったりと見どころ豊富。季節や時間帯にかかわらず混み合うので、豊洲駅から乗ってみるといいかもしれない。右へ左へとほぼ直角に方向を変えながら進んでいくので、沈む夕陽を眺めながら乗車するとなかなかに楽しめる。
冬季夜間に運行される臨時の「夜景列車」は車内消灯で運転。都心ならでの煌びやかな夜景を味わいながらも一興かも。
では、次におすすめの厳選8曲をご紹介しよう。
大都市近郊に張り巡らされた地下路線。各路線ごとに個性があるが、一般的な名曲を楽しもうと思うと駅間が短く、1分~3分で次の駅に着いてしまう。加減速も多く、集中できない。人工物だけが規則正しく並ぶ車窓(できれば写真のように先頭車両でかぶりつきたい!)の中でしっくりと来るのは、少しのズレもない打ち込み音楽だった。
乗りつぶしでは、土地勘のない大阪市営地下鉄を攻略する行程で大変苦しい思いをしたことを思い出す。(いかにしてこの状況を楽しく乗り切るか!?)といった点に主眼をおいた選曲になった。
■ ukigumo ■
ファミコンやゲームボーイなどの8bit音(ピコピコ音)を使った「チップチューン」の代表的アーティスト。地下路線に乗りながら聴くと温かみを感じてしまうから不思議だ。
チップチューンではこのほかにYMCKがお気に入り。だんだん駅を歩く人さえもゲームのキャラクターのように見えてしまうほど、楽しい作品。40代以上の方は懐かしさに胸を熱くすることだろう。
■ Digital Love ■
フランスのエレクトロ・デュオ。世界を席巻したこのアルバムは2001年発売。すでに十年以上が経過しているが、今聴いても色褪せない魅力を持つ定番である。トンネル内に定期的に光る蛍光灯の灯りがディスコのミラーボールのキラキラに見えてくるほどファンキーなアルバムだ。
■ Trans-Europe Express ■
1977年4月発売、ドイツの電子音楽ユニット・Kraftwerkのアルバム。打ち込みとシンセサイザーの重層的なアプローチが無機質で機械的。タイトル曲の「Trans-Europe Express」と次の「Metal On Metal」を自然物の全くない地下で聴くと自分が工業製品になってしまったかのようなやられ方をする。
■ 水星 ■
DAOKOは2015年3月にメジャーデビューした女子高生ラッパー。洗練された音と透明感のある声質がクセになる。10代の鋭敏な感覚と選び抜かれた言葉が矢継早に飛び込んでくる。アルバムのリードドラック「水星」は、2015年現在の都市の真下にいることを強く実感する、美しく洗練された作品である。
このほか、地下と高架を両方楽しめる路線としてJR東日本京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線などがある。地下に潜って視界を奪われる瞬間、地上に浮上してバッと視界が開ける瞬間は、音楽を聴くタイミングと相まってとてもドラマチックだ。今回は、高架と地下の路線を旅するうえでのおすすめ8曲をご紹介した。次回をお楽しみに。
引用元:東洋経済オンライン
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