産経ニュース for mobile

【環球異見・シリア停戦破綻】米国WSJ「オバマ政権は手を引き始めた」 サウジ・アルハヤート「停戦合意、米露の欺瞞と偽善」

記事詳細

米国WSJ「オバマ政権は手を引き始めた」 サウジ・アルハヤート「停戦合意、米露の欺瞞と偽善」

環球異見・シリア停戦破綻更新

 米国とロシアが先月に合意した、シリア全土でのアサド政権軍と反政府勢力の停戦が破綻し、シリア情勢は再び出口の見えない内戦状態に逆戻りした。米紙は軍事行動を起こさないオバマ米政権に非難の目を向ける一方、ロシア紙は米露関係の現状を「冷戦」になぞらえて危機感を表明。汎アラブ紙は、停戦が米露による「緊張緩和を演出する工作だ」と喝破し、米露がシリア和平に真剣でないと強く批判した。

                   

ニューヨーク・タイムズ(米国)「米露の停戦に向けた協議が最善の手段」

 泥沼化するシリア内戦に関し、米メディアはロシア軍とアサド政権軍による北部アレッポへの空爆を非難する一方、軍事行動を起こさないオバマ政権の対応を疑問視する主張を展開している。

 保守系紙ウォールストリート・ジャーナルは6日の社説で、ロシアとの交渉を続けるケリー国務長官が「シリア内戦から手を引き始めた」と批判した。ケリー氏をめぐっては先月末、シリア人の市民団体との会話の内容が流出。同氏は、紛争解決に向け米軍が武力行使する選択肢がなかったことを後悔していたという。

 同紙は「シリア市民が化学兵器で攻撃されても、オバマ大統領は何もせず、紛争解決の希望を消してしまった。ケリー氏(の後悔)は正しい」と指摘。だが、「ロシアやシリアが国際法を順守していないと指摘しながら、彼らも監視して行われる選挙の結果に従うことを期待している」とし、ロシアとの協調姿勢を貫くケリー氏の対応に疑問を呈した。

 一方、ニューヨーク・タイムズ紙は6日、オバマ政権の国家安全保障会議で中東上級部長を務めたスティーブン・サイモン氏ら2人の寄稿を掲載した。サイモン氏らは、停戦が崩壊したことで、4日の副大統領討論会などで対シリア強硬論が噴出したことに警戒感を示し、「米国にとって、大きな戦争を引き起こす危険性を伴わずにシリア内戦に深く関わることはすでに手遅れとなっている」と指摘。「人命を救い、政治合意の可能性を維持するには、米露の停戦に向けた協議が最善の手段だ」と呼びかけた。

 また、同紙は9月29日、ロシアによるシリア空爆の背景について、政治的な戦略があると解説。多くの専門家の分析として、反体制派への攻撃を強めることで過激組織に助けを求めざるを得ない状況を作り出し、反体制派に過激派の烙印(らくいん)を押し、将来の和平交渉から反体制派を排除する狙いがあると指摘した。(ニューヨーク 上塚真由)

プッシュ通知