朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が就任後最低の26%(韓国ギャラップ社調査)に下がったことについて、大統領府では「国政の基調は変えない」と言ったという。現在取りざたされている複数の疑惑について、そのまま押し通していくということだ。大統領府関係者は「野党が針小棒大に取り上げている複数の疑惑が事実ではないと判明したら、支持率を回復できるだろう」と語ったそうだ。驚きはしない。最近では多くの人々が大統領府からこのような反応が出てくることを知っている。
大統領の一方通行的な「マイウェイ(我が道)」を行く姿勢は変わらない。外部の言葉には耳を傾けないと決心しているかのようだし、内部でも誰も苦言を呈しない。どうせ数々の醜聞は政権が変われば、あるいはその前でも特別検事などを通じて真相が明らかになることだろう。
問題は国民の生活経済だ。朴槿恵政権になって以降、生活に関するあらゆる指標が悪化している。成長率は4年連続で世界平均を下回り、雇用は減少し、非正規雇用や若年層の失業問題はさらに深刻になっている。給料は減っているのに家賃は急騰し、自営業者や商店主たちは「アジア通貨危機時(1997年)よりも商売にならない」と嘆いている。現場で感じる一般庶民の体感景気は既に深刻なレベルにまで下がっている。
国家戦略資産と言える海運産業が政府の無能・無責任により空中分解しているのに、政府は以前の経営者たちばかり攻撃している。国の経済までも崩壊させるかもしれない造船産業の低迷は、対策がないまま漂流している。政府は問題を解決するどころか、政府が問題の原因を作るという本末転倒の状況さえ出ている。韓国経済を支えてきたサムスン電子や現代自動車さえ今や危機的状況を迎えている。世界保護貿易の流れはますます強まってきた。こうした中でも、政府は一度もこれといったビジョンや対策を示せていない。経済のリーダーシップは空洞状態も同然だ。その場しのぎの資金緩和や不動産景気浮揚策のほかに、政府が経済再生のため何かしたという記憶がない。これだから、「危機の韓国経済には船長もいないし、救命ボートもない」と嘆く声が上がっているのだろう。
このままでは朴槿恵政権は歴代政権で最悪の経済実績を残す可能性が高い。「今さら国政のやり方を変えろとは言わないから、残りの任期中くらいは経済で最善を尽くし、ちゃんとやってほしい」というのが国民の本音だろう。