国の承認と異なる方法で日本脳炎ワクチンを製造していたとして厚生労働省から経緯の報告を求められていた熊本市の医薬品メーカー「化学及(および)血清療法研究所」(化血研)は18日、同市で記者会見し、「不正製造はしていない」として、厚労省の指摘を否定する弁明書を提出したと発表した。
化血研の木下統晴理事と葉玉匡美(まさみ)弁護士が会見した。ワクチンの製造過程で、ウイルス不活化処理を定められた手順でしていなかったとする厚労省の見解に対して、「(厚労省の)承認書の書き方、読み方の問題であり、解釈が違っている。(製造に)問題はない」と反論した。
この問題を巡って厚労省が医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づく業務改善命令を化血研に出す方針を示していることについては、「違反はなく、改善命令が出されないことを信じている」と話した。
これに対し、塩崎恭久厚労相は18日の会見で「弁明の内容は今後精査する」と述べた。また化血研のワクチンと血液製剤の製造事業を製薬大手のアステラス製薬へ譲渡する交渉が停滞していることについて「事業譲渡が速やかに実現するように指導を続けたい」と強調した。【野呂賢治、山田泰蔵】