京都の秋を彩る紅葉絶景シーン10選
朝夕の空気に少しずつ冬の匂いが混じるころ、最盛期を迎える京都の紅葉。歴史ある寺社の見事な紅葉、苔むす庭の落ちもみじ、山肌を染めあげる山もみじ……千年の時を超え、みやこびと達を魅了してきた美しい景色から、10のシーンを選んでご紹介します。今年の秋は、どのシーンを見にいきますか?
1.京都の紅葉の代名詞的存在
永観堂(禅林寺)
境内には約3,000本もの木々が色づき、まるで錦の織物ような美しい景色を作り出しています。
永観堂は正式名称を「禅林寺」といい、853(仁寿3)年に空海の弟子真紹が藤原関雄の山荘を譲り受け、真言宗の道場としたのが始まりといわれています。
永観堂(禅林寺)
京都府京都市左京区永観堂町48
[拝観時間]9:00~17:00(受付~16:00)
[夜間拝観時間]17:30~21:00(受付~20:30)※2016年11月8日~12月4日(寺宝展開催期間と同じ。2017年度以降は要確認)
[拝観料]大人600円、小・中・高校生400円
寺宝展開催中は大人1,000円、小・中・高校生400円
[夜間拝観料]600円(中学生以上)
[定休日]なし
075-761-0007
2.高さ22mの三門から見下ろす絶景
南禅寺
「絶景かな、絶景かな」。
これは、歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」の中で石川五右衛門が南禅寺の三門からの景色を眺めて言った名台詞。
高さ22mもある南禅寺三門から見下ろす紅葉は、まさに時代を超えた絶景です。
南禅寺
京都府京都市左京区南禅寺福地町86
[拝観時間] 3~11月 8:40~17:00(受付~16:40)
12~2月 8:40~16:30(受付~16:10)
[拝観料(三門)]大人500円、高校生400円、小中学生300円
[定休日]12月28~31日
075-771-0365
3.千年の時を越える山もみじの絶景
嵐山・渡月橋
渡月橋の歴史は古く、始まりは承和年間(834~848年)に遡ります。
亀山天皇の詠んだ句よりその名がついたといわれる橋と嵐山の景色は、永い時を越えて愛され続ける京都の象徴的絶景といえるでしょう。
嵐山・渡月橋
京都府京都市右京区嵯峨中ノ島町
4.平家物語ゆかりの、苔むす草庵
祇王寺
祇王寺の名は、平清盛の寵愛を受けた白拍子・祇王に由来します。平清盛の寵愛を受けた祇王が、清盛の心変わりにより都を追われ、母と妹とともに出家、入寺したのがこのお寺なのです。
苔むす庭園の変わらぬ青と散りゆく紅葉の朱……。繰り返される四季の移ろいと、祇王の悲恋のエピソードが、秋の終わりのせつなさとともに胸に迫ります。
祇王寺
京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
[拝観時間] 9:00~17:00(受付~16:30)
[拝観料]大人300円、小中高生100円
[定休日]1月1日
075-861-3574
5.一幅の絵画のような紅葉景色
宝筐院
中でも、本堂から見た庭園の紅葉は絶品です。
まずはご本尊にお参りをして、そっと後ろを振り返れば、障子の枠に切り取られた紅葉の、絵画のような美しさに息を呑むことでしょう。
※こちらのお寺は三脚を立てての本格的な撮影を目的とした拝観は禁止です。あくまで記念撮影として、デジカメやハンディカメラ程度なら持込可とのことなのでご注意ください。
宝筐院
京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9-1
[拝観時間] 9:00~16:00 ※11月は16:30まで
[拝観料]大人500円、小中学生200円
[定休日]不定休
075-861-0610
6.床に写りこむ幻想的な紅葉
実相院
そんな実相院の紅葉の見所のひとつは、比叡山を借景にした枯山水の石庭。遠くに望む比叡山、静謐に整えられた石庭、そして赤く染まった楓の木々が見事な景色を織り成しています。
そして、もうひとつの見所は、滝の間の床板に写りこむ真っ赤な紅葉が美しい「床もみじ」。黒く磨きこまれた床に映える紅葉は、見るものの心を捉える幻想的な美しさです。
※床もみじの撮影は禁止です。
実相院
京都府京都市左京区岩倉上蔵町121
[拝観時間] 9:00~17:00
[拝観料]大人500円、小中学生250円
[定休日]不定休
075-781-5464
7.苔の庭に佇むわらべ地蔵と落ち紅葉
三千院
三千院
京都府京都市左京区大原来迎院町540
[拝観時間]
3月~12月7日 8:30~17:30(受付~17:00)
12月8日~2月 9:00~17:00(受付~16:30)
[拝観料]大人700円、中高生400円、小学生150円
[定休日]なし
075-744-2531
8.池に映りこむ豪奢な紅葉景色
醍醐寺
約200万坪の広大な境内に数多くの見所がある醍醐寺(だいごじ)。世界文化遺産にも登録され、豊臣秀吉が晩年に行った「醍醐の花見」でも有名です。
紅葉の見所は、七福神のひとつ、弁財天が祀られている「弁天堂」。
お堂の対岸から見ると、朱塗りの弁天堂と橋、そして色とりどりに染まった木々が池に映し出され、なんとも豪華絢爛な紅葉景色を作りだしています。
醍醐寺
京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
[拝観時間] 9:00~17:00。12月第1日曜翌日~2月末日は9:00~16:30(いずれも発券終了は閉門1時間前迄。各所入場は閉門30分前迄)
[拝観料]大人800円、中高生600円、小学生以下無料 ※3月20日~5月15日、10月15日~12月10日は大人1,500円、中高生1,000円、小学生以下無料
[定休日]なし
075-571-0002
9.長い参道を真っ赤に染める散り紅葉
毘沙門堂
なかでも見所は勅使門(ちょくしもん)へ続く長い参道。秋も深まると、参道脇を染める木々から散り落ちた葉が、まるで赤い絨毯のように参道に敷き詰められます。
毘沙門堂
京都府京都市山科区安朱稲荷山町18
[拝観時間]8:30~17:00(受付~16:30) ※12~2月は~16:30(受付~16:00)
[拝観料]大人500円、高校生400円、小中学生300円、小学生以下無料
[定休日]なし
075-581-0328
10.京都市民憩いの場の庭園紅葉
梅小路公園・朱雀の庭
その公園内にある日本庭園「朱雀の庭」も実は穴場的な紅葉スポット。池泉回遊式庭園の中央にある「水鏡」と名付けられた浅池には、周辺の美しい紅葉が映し出されます。
例年11月中旬~下旬頃にはライトアップイベント「梅小路公園 紅葉まつり」も行われ、昼間とはまた違う美しい表情を愛でることができます。※2016年は11月18日(金)~27日(日)に開催
梅小路公園・朱雀の庭
京都府京都市下京区観喜寺町56-3
[開園時間]9:00~17:00(最終入園16:30) ※ライトアップは17:00~21:00(最終入園20:30)
[入園料]小学生以上200円 ※ライトアップの観覧には別途夜間入園料が必要:大人400円、小学生200円(すべて税込)
[休園日]月曜(祝日の場合開園、翌日休み)、12月28日~1月4日
075-352-2500
妙加谷修久
京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。