交流サイト運営大手のディー・エヌ・エー(DeNA)は18日、米子会社を解散すると発表した。持ち株会社のDeNAグローバル(カリフォルニア州)と、傘下に連なる「ngmoco」などのゲーム子会社2社を清算する。「期待する水準のヒットタイトルの創出に至らなかった」として解散を決めた。
DeNAグローバルは2008年の設立。携帯サイト「モバゲータウン」の海外展開や欧米向けゲーム開発を手掛けていた。ただ、ヒット作に恵まれず、2015年12月期の営業利益は3050万ドル(約31億円)の赤字になるなど、この数年は赤字基調が続いていた。今回の解散に伴う拠点閉鎖などで約30億円の費用を見込む。
海外事業は継続する。現地拠点での開発からは距離を置くが、「他社と連携して英語対応のゲームを引き続き出していく」と同社は説明している。
すでに2015年に資本業務提携を発表した任天堂が開発したスマートフォン(スマホ)向けゲーム「SUPER MARIO RUN(スーパーマリオラン)」を12月から海外でも配信することを決めている。
海外展開が思うように進まないのはDeNAだけではない。交流サイト運営のグリーは8月、欧米のゲーム事業体制の見直しを発表。モバイルゲームを開発・運営する米子会社を米ゲーム開発会社に売却した。新たに設立した米子会社でゲーム開発・運営は続けるが、欧米事業は仕切り直しとなった。
ミクシィも昨年、中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)との業務提携を解消、中国事業から撤退した。同社はゲームを作り直して再進出する意向だが、海外事業の難しさを浮き彫りにしている。