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 いじめを訴える文書をスマートフォンに残し、電車にはねられて8月に死亡した青森市の中学2年の女子生徒(当時13歳)の遺族が18日、女子生徒の氏名と写真を公開した。遺族は「娘の笑顔を世間に知ってもらい、いじめをなくしたい」と話している。

 亡くなった生徒は葛西りまさん。写真は、りまさんが亡くなる10日前の8月15日、青森県黒石市で開かれた祭りで撮影された。父親の剛(ごう)さん(38)は撮影者からデータの提供を受け、公開の許可も得たとして「いつも笑顔だった娘が、いじめによって残酷な結果になってしまう恐ろしさを、少しでも知ってほしい」と公表の理由を話している。

 写真を巡っては、今月11日、祭りの写真コンテストの事務局となった黒石観光協会が、いったん最高賞の黒石市長賞に選んだ。その後、写っていたのがりまさんだと知り、遺族の了解を取ったうえで、市長賞の授賞を決めた。だが、13日に「亡くなった人を審査対象にするべきではない」などの指摘を受けて再協議し、一転して授賞を取りやめた。

 黒石観光協会は「祭りを盛り上げる狙いを考えると違和感があった」と説明している。高樋憲・黒石市長らが19日に経緯を説明する予定だ。

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 朝日新聞はこれまで、女子生徒を匿名で報じてきましたが、遺族が生徒の名前と写真を公表したことから、実名での報道に切り替えます。