和歌山市の加太淡嶋神社で「針祭り」 (写真付)
折れたり錆びたりして役目を終えた裁縫の針を供養する「針祭り」が、ことし(2016年)も、和歌山市加太(かだ)の加太淡嶋(あわしま)神社で営まれ、およそ7万本の針が針塚(はりづか)へ納められました。
針祭りは毎年2月8日に行われている針供養(はりくよう)の神事で、加太淡嶋神社にまつられている少彦名命(すくなひこなのみこと)が裁縫の技術を伝えたとされることにちなんで、使い古した針に感謝し、裁縫の上達を祈願します。
午前11時に行われた針供養では、前田光穂(まえだ・みつほ)宮司が本殿脇の針塚で祝詞(のりと)をあげたあと、3人の巫女(みこ)が全国から寄せられた縫い針やまち針を、菜箸(さいばし)を使って針塚に入れ、清めの塩と共に納めました。
前田宮司は「女性の幸せを祈願する神事として江戸時代から続いています。多くの人々の手仕事の上達や反映を祈っています」と参拝者にあいさつしました。
毎年、和服姿で針祭りに参拝している、和歌山県和裁協会の田村喜久子(たむら・きくこ)会長は「1年の労をねぎらい、会員が無事に仕事が出来たことに感謝するため参拝しています。次の世代の子どもたちに裁縫を伝えることが私たちの使命です」と話し、気持ちを新たにしていました。