スマホ爆発:サムスン電子、発火原因究明に全力

 サムスン電子はスマートフォン「ギャラクシーノート7」の発火原因究明に総力を挙げて取り組んでいる。無線事業部の社員数百人を動員した独自調査を進める一方、スイスの製品認証業者SGSと韓国政府の認証機関、韓国産業技術試験院(KTL)など外部機関や専門家にも調査を依頼した。正確な原因究明がなければ、サムスンのスマートフォンの安全性を担保できないという危機感があるためだ。

 サムスン電子の高東真(コ・ドンジン)スマートフォン担当社長も従業員に送った電子メールで、「徹底した原因究明」を強調した。同社関係者は「発火原因を正確に究明できない状況で次の製品を出せば、消費者がサムスン製品は安全だと信じるはずはない。次期製品開発の先決となる条件が原因究明であり、そのために何でもやる方針だ」と説明した。 

■海外専門機関、部品専門家も動員

 原因究明作業は原点から全面的な再調査を行う方式で実施されている。バッテリーの欠陥だけでなく、スマートフォン本体の設計、製造工程に至る全工程を全面的に調べている格好だ。ノート7ユーザーの使用パターンも分析中だ。例えば消費者の動画使用時間、スマートフォンに保存された動画・写真の容量がバッテリーの発火に影響を与えるかどうかなどもチェックしているという。

 サムスン電子はSGSとKTLだけでなく、海外で第3の製品認証専門機関にも発火原因の究明を依頼した。また、バッテリー分野に詳しい大学教授など国内外の専門家とも共同調査に着手した。韓国のバッテリー業界関係者は「サムスン電子はバッテリー分野以外に電源管理チップ、プリント基板など他の部品の専門家も探している。バッテリー周辺の回路設計の欠陥、部品配置などの問題をチェックするためだ」と話した。

 サムスン内部では原因究明作業が遅れた場合、来年初めに予定されるスマートフォン「ギャラクシーS8」の発売計画に支障が出かねないと懸念する声もあるという。特に虹彩認識、防水・防じん機能などアップルと差別化した重要技術は、発火とは無関係だという明確な結論が出ない状況でS8に採用するわけにはいかないからだ。

カン・ヨンス記者
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