金剛山観光の中断を求める米国の要求、盧武鉉政権が拒否

 米国は核実験が行われた翌10月10日、当時のバーシュボウ駐韓米国大使を通じ「韓国政府は金剛山観光など北朝鮮に現金が流れ込む経路を遮断し、PSI(大量破壊兵器拡散防止構想)に参加するなど、より強硬な措置を取ることを望む」「それがあってはじめて米国も中国に対して北朝鮮への圧力を強めるよう求めることができるだろう」などと伝えていた。ところがこれに対して韓国側は「中国は北朝鮮から大量の鉄鉱石や石炭を現金で購入している。そのため北朝鮮に流れ込む現金全体の規模を考えると、金剛山事業の中断にどれほどの効果があるか国内で疑問の声が上がるだろう」と反論したという。

 また盧武鉉政権は2007年8月3日に南北首脳会談が正式決定した後も、これを同盟国の米国に知らせなかった。これについては宋氏も「遅くとも盧大統領が南北首脳会談の日時を8月3日に決めた直後には(米国に)当然伝えるべきだった」と回顧録の中で指摘している。

 また宋氏は2007年の南北首脳会談後に発表された10・4共同宣言に「3者(カ国)あるいは4者による6・25(朝鮮戦争)終戦宣言」という文言が入っていたことについても「北朝鮮の要求を受け入れた」として疑問を呈した。この共同宣言には「平和体制構築に向け3カ国あるいは4カ国首脳が韓半島(朝鮮半島)地域で会談し、(朝鮮戦争の)終戦を宣言することを推進する」という趣旨の文言が記載されている。

 しかしこれに「3カ国」と記載されれば、これは韓半島の運命を左右する会談で、北朝鮮が韓国を排除する口実として利用される恐れがある。宋氏は平壌で行われていた首脳会談後に発表される共同宣言の草案を見て、文在寅(ムン・ジェイン)大統領府秘書室長(当時)に「3者あるいは4者」を「直接の関連当事国」に変更するよう求めたという。しかしこの提案は受け入れられなかった。これについて宋氏は「(当時の大統領府の説明によると)3者あるいは4者という言葉は金正日(キム・ジョンイル)総書記が北朝鮮の交渉担当者らに直接指示した文言であったため、変更はかなわず(韓国側が)受け入れたということだった」と明らかにした。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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